昭和天皇のすい臓がんはなぜ「慢性すい炎」と発表されたのか 衝撃の舞台裏に迫る
昭和62年9月、嘔吐を繰り返していた天皇は開腹手術を受けた。「玉体にメス」は前例がない。結果、体調不良の原因は「すい臓がん」と判明するが、「慢性すい炎」と発表されたのはなぜか。昭和100年にあたる今年、当時の皇室担当記者・斉藤勝久氏が崩御に至る舞台裏を明かす。
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昭和天皇の晩年のご闘病には前兆があった。86歳の誕生日を祝う昭和62年(1987年)4月29日、皇居で行われていた「宴会の儀」での出来事である。陛下が祝宴の最中に突然、食事をもどし、気付いた皇太子妃(現上皇后)と常陸宮妃華子さまに両脇を支えられるようにして退席されたのだ。...