キャンプ開始のプロ野球で「期待値上昇中」のドラフト下位「注目ルーキー」 “即戦力候補”の4人をピックアップ

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1年目が勝負年になるパの新人キャッチャー

 一方、パ・リーグの投手で早くから一軍の戦力になりそうなのが、東山玲士(ENEOS→オリックス5位)だ。同志社大時代は、3年秋に最優秀防御率とベストナインを受賞した。社会人でもリリーフ、先発の両方をこなしながら、徐々に登板機会を増やし、昨年は都市対抗や日本選手権で好投。

 躍動感あふれるフォームで、高い位置から縦に腕をふることができるほか、コンスタントに145キロを超えるストレートは、高めも低めも勢いがある。

 変化球でカウントを整えられる制球力が持っている。チェンジアップは、ブレーキ抜群で、奪三振率が高い。オリックスは、昨年、中継ぎでフル回転した古田島成龍が先発に転向する予定だ。その穴を埋めるリリーフとして、1年目からかかる期待が大きい。

 最後に、パ・リーグの野手でチャンスがありそうなのが、大友宗(茨城アストロプラネッツ→ソフトバンク育成3位)だ。帝京大時代から注目を集めていた強打の捕手で、日本通運に入社した。

 しかしながら、日本通運では、なかなか出場機会を得られず、2年で退社。その後、独立リーグに進み、1年でドラフト指名を受けた。大友の持ち味について、独立リーグ担当スカウトは、こう話す。

「打つのも守るのも少し動きが硬いのは気になりますが、肩の強さは抜群で、『キャッチャーらしいキャッチャー』だと思います。スローイングは、少し力任せなところがあったのが、独立リーグで試合に出続けていく中で、上手く力を抜いて、正確に投げられるようになりました。バッティングも飛ばすコツを持っています。独立リーグで多くのピッチャーのボールを受けてきたのも良い経験になったと思います」

 昨年のBCリーグでの打撃成績を見ると、51試合の出場で打率.244、12本塁打、41打点を記録している。長打力のある捕手は、非常に魅力的だ。ソフトバンクは、甲斐拓也が巨人に移籍して、正捕手の座が空いている。今年で26歳となる大友にとっては、1年目から勝負のシーズンとなる。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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