神風特攻隊として散った現役プロ野球選手「石丸進一」 特攻命令が出たその日「これで思い残すことはない」と投げた“最期の10球”(小林信也)

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 石丸進一は、現役プロ野球選手で唯一、神風特攻隊員として散った投手だ。

 佐賀商でエースとして活躍したが2年続けて佐賀大会決勝で敗れ、甲子園に届かなかった。上背もない。プロから声はかからなかった。進一は、8歳上の兄・藤吉に手紙を書いた。藤吉は名古屋軍の内野手。送ったのは召集先の中国だ。

「名古屋軍に入りたい。口を利いてくれないか」

 弟の頼みに、兄はすぐ応じなかった。プロは厳しい。弟の力量も分からない。普通の仕事に就くよう勧める返事を送った。...

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