コワモテすぎる人気俳優「遠藤憲一」が誕生した瞬間…憧れの「鬼才監督」が言い放った“衝撃のひと言”
俳優、歌手、タレント、芸人……第一線で活躍する有名人たちの“心の支え”になっている言葉、運命を変えた人との出会いは何か――。コラムニストの峯田淳さんは、日刊ゲンダイ編集委員として数多くのインタビュー記事を執筆・担当し、現在も同紙で記事を手がけています。そんな峯田さんが綴る「人生を変えた『あの人』のひと言」。第1回は、ドラマに映画に引っ張りだこの人気俳優、遠藤憲一さん(63)です。
【写真】エンケンが「俺を使え!」と直訴したら、とんでもないディレクションをした「運命の人」とは
素顔はおどおどしていて、ひょうきん
当代の名バイプレーヤーを何人かあげて欲しいといわれたら、間違いなくランキング上位に入る俳優は、エンケンこと遠藤憲一(63)だと思う。
主演もこなすが、やはりエンケンの場合、脇役に回った時、強面からコメディーまで何でもこなす姿に魅力がある。カメレオン俳優の真骨頂とでもいうべきか。興味が尽きないので、これまで4回もインタビューをお願いし、快く応じていただいた。
今冬の映画の話題といえば、テレビドラマの劇場版の2作、「孤独のグルメ」と「ドクターX FINAL」だが、エンケンは両作に主要なキャストとして出演している。とくに明るく、ひょうきんな持ち味をいかんなく発揮しているのは「ドクターX」シリーズの海老名部長。同作で西田敏行演じる腹黒い蛭間院長と双璧をなす名キャラクターといえる。
ところで海老名部長と、例えば、強面のエンケンをそのままドラマにしたとしか思えないような「湯けむりスナイパー」で演じた殺し屋の源さんとでは、どちらが素のエンケンに近いのか――。
これについての答えは明解だった。犯人やチンピラ、それとは正反対の刑事の役などが多かったが、いずれも本当の自分とほど遠く、素に近いのは「ドクターX」の海老名副部長(取材当時の肩書き)と語った。
「ちょっとおどおどしていて、ひょうきんで、どっしりしていない」
というのがその理由だった。
実はエンケンが、一皮剥けて、どんな役柄でも演じることができる俳優になる、決定的な出来事があった。名バイプレーヤーの誕生秘話といってもいい。
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