佐々木朗希が「先発の座を保証されていない理由」とは 「ストレートの球速が3キロも落ちた」
アメリカでも、「令和の怪物」については盛んに報じられた。日本のメディアも同様に、活躍を期待する声が目立つものの、本当に死角はないのか。メジャーの壁を前に挑む投手が抱える懸念と課題。それらを総ざらいしてみた。
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【写真を見る】顔をクシャクシャにして大谷翔平と談笑する佐々木朗希
現地時間の今月17日、米メジャーリーグ(MLB)の20球団が争奪戦を行った末、佐々木朗希(23)のLAドジャース入団が決定した。
今季開幕戦から、大谷翔平(30)や山本由伸(26)と同じチームでMLBの舞台に立つ佐々木だが、必ずしも先発の座を保証されているわけではない。
メジャーリーグ研究家の友成那智氏によれば、
「今季ドジャースは投手6人でローテを回す予定ですが、先発候補は佐々木を含めて9人もいる。確実視されているのは4人で、山本と5月から二刀流復帰が予定される大谷が含まれます」
残り二つの先発枠を5人で争うことになる。
「佐々木以外の投手は実績のある実力者ぞろい。昨年はケガで全休したが22年に16勝を挙げたトニー・ゴンソリンや、160キロを投げるボビー・ミラーがいます。メジャーでは日本より平均5キロくらい球速が速い。佐々木の球種3本柱は速球、スライダー、フォークですが、160キロの速球を投げても、回転が悪ければすぐ打たれてしまう」(同)
「3キロは結構な差」
速球といえば、佐々木は獲得を希望する球団に“宿題”を課して話題を集めた。この1年、彼はストレートのスピードが平均3キロ落ちたが、その理由と再発防止策を提示させたのだ。
MLBのデータ分析に定評のあるスポーツライター・八木遊氏が解説する。
「やはり佐々木にとって最大の武器は160キロを超える速球ですが、2023年の159キロが去年は156キロに落ちた。共に平均値なので結構な差になります。メジャーでも前者の球速なら全投手で5本の指に入りますが、後者だと25位レベル。もちろん速い部類の投手とはいえ、メジャーは30チームあるから一気にランクが下がる。開幕から2カ月ほどたった時の平均球速が、今後の活躍を見極めるポイントになるかもしれません」
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