「橋下徹氏を重用するのは日枝さんの影響」「自分の脅威になる優秀な人は偉くさせない」 フジテレビを壊した根深い「日枝支配」

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社長人事も日枝氏の一声で

「会社の雰囲気が本格的におかしくなったのは日枝さんが社長の座を退いた01年ごろからです。社長人事を含めた全てが日枝さんの一声で決まるので、社長になるには日枝さんに気に入られるしかない、として皆いかにゴマをするかに腐心するようになった。逆に、日枝さんの覚えさえめでたければ大丈夫だよね、という雰囲気になっていきました」(前出のフジ元社員)

 お気に入りが登用されるだけではなく、

「いずれ自分の脅威になるような優秀な人を偉くせずに外に出してしまうのも日枝さんのやり方。さかのぼると、『オレたちひょうきん族』や『笑っていいとも!』を手がけた横澤彪(たけし)さんは社長どころか役員にもなれなかった」

 とは、フジ元役員。

「あと、日枝さんは気に入らないとすぐに切ってしまう。13年に社長になったお気に入りの亀山千広さんは4年、その後の宮内正喜さんは2年、遠藤龍之介さんは2年、金光修さんは1年、そして港浩一さんが3年。普通は4~5年はやらせるものですが、力のある者を社長にさせず、社長にした人間も将棋の駒のように入れ替えるのです」

隅々まで張り巡らされた「日枝支配」

 社内人事だけではなく、番組のキャスティングにも日枝氏の意向が働いており、

「フジが橋下徹・元大阪府知事を重用するのは、日枝さんの影響です。日枝さんは石原慎太郎元東京都知事と親しかったのですが、その石原さんから橋下さんについて“みどころがあるからよろしく”と言われた。そうしたことがあったので橋下さんを使い続けているのです」(日枝氏を取材したことがあるジャーナリスト)

 橋下氏は27日のフジテレビ情報番組「めざまし8」における「僕は(日枝氏は会見に)出ちゃいけないと思います」との発言が波紋を呼んでいた。

 隅々まで張り巡らされた「日枝支配」の影響か、11年以降、フジの視聴率や業績は凋落の一途をたどる。

「フジはある時期から企画力をないがしろにしてキャスティングに力を入れる方針を取りました。すると、台本にキャストありきの修正が入るようになり、作家や制作会社が離れていき、テレビとしての企画力が下がる。そうなるとますますキャスティングで数字を取ろうとするスパイラルにハマっていったのではないか。それが今回のタレントに対する過剰なまでの接待につながったのだと思います」(フジ・メディアHD傘下企業の元役員)

 1月30日発売の「週刊新潮」では、フジテレビの人事などを陰で差配してきた「日枝支配」の全容を報じている。

週刊新潮 2025年2月6日号掲載

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