中居氏への忖度か、フジへの遠慮か…1面トップでの追及が“控えめ”だった「スポーツ新聞」4紙の「個別事情」
報知と巨人、そして中居氏の関係
◆1月18日
《中居騒動会見フジ社長 女子アナ“上納”接待「全くないと信じている」 発生直後23年6月初旬に事案把握 「極めてセンシティブな領域の問題」 第三者の弁護士含む調査委設置へ》
◆1月21日
《「金スマ」電撃打ち切り「THE MC3」降板 中居止まらん“消滅”ドミノ 地上波レギュラー5番組中4番組消えた フジメディアHD23日臨時取締役会開催へ》
最終面の全面が使われたのは3回。これを1面と同じ扱いだと考えれば、報知を上回って単独3位だとも考えられる。
その報知だが、こちらは読売新聞グループで、巨人の記事を大きく報じなければならない。デイリーと似た事情を抱えているわけだが、それだけでは説明が付かないようだ。
「報知の場合、読売グループと中居氏の距離が近かったことも影響を与えたのではないでしょうか。中居氏は大の野球ファンで、特に巨人を応援していました。巨人について好意的に言及する機会も多く、“応援射撃”してくれた中居氏には恩があるわけです。その中居氏を必要以上に糾弾するトーンの紙面展開は避けたいと報知が判断したとしても不思議ではありません」(同・記者)
フジの致命的ミスにも冷静な紙面
先に見たとおり、報知は1月18日に港社長が会見で失敗したことを1面で伝えた。2回目は24日の中居氏引退だから、これは全紙横並び。そして3回目はフジテレビの”やり直し会見”を伝えた28日だった。
阪神の問題を抱えていたデイリーは最終面を活用した。では報知の最終面は、どのような紙面展開だったのだろうか。調べてみると最終面がフル活用されたのは1回だけだった。1月10日号で最終面の全面が使われた。
《中居お詫び 公式サイトで553文字初言及 「トラブルは事実」「解決していることも事実」暴力行為第三者関与 一部報道について否定》
「デイリーは最終面の全面を使って3回、中居氏とフジテレビの問題を報じました。一方で報知は1回だけです。回数だけでも“熱量”に差がある印象を受けてしまいますが、10日の見出しは中居氏を擁護するトーンになっていることも見過ごせません。中居氏に批判が殺到した声明だったにもかかわらず、報知の見出しは『トラブルは解決している』ことを強調しているように見えます(同・記者)
見出しにある《一部報道について否定》も今となっては疑問だ。確かに中居氏が否定したのは事実だろう。
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