渦中の「中居氏」と「フジテレビ」をスポーツ新聞はどう報じたか…最も厳しい姿勢で1面トップを展開した「2紙」とは
“CMドミノ”はニッカンが1面
フジテレビは23年6月にトラブルを把握しながら、その後に何も対応しなかった。その判断ミスをスポニチは《知ってて出演継続》の見出しで問題視したと考えられる。
スポンサー企業は港社長の会見に失望し、相次いでCMの差し止めを決定する。結果、フジテレビではACの公共広告が大量に放送される“異常事態”が発生した。これを1月21日の朝刊でニッカンが1面トップで報じた。
《フジCM差し止め50社超 スポンサー離れ一気に加速 局アナら悲痛「大好きな会社…説明しっかりしてほしい」 「会見の対応まずかったのが原因」代理店関係者が解説》
そして24日の全6紙は「中居引退」の文字を非常に大きくして1面トップに載せた。“国民的アイドル”のリーダーが芸能界を去った衝撃を表現するためだ。
さらにスポニチは27日、1面に自社のスクープ記事を掲載した。見出しは、
《新疑惑浮上 フジ他局女子アナも中居接待 今日会見 幹部手引き 1人ずつ入室 隣に座るよう指示され── 「ヤラせてくれよぉ~」人気タレント発言にボディータッチも》
という衝撃的なものだった。
この日は午後4時からフジテレビの“やり直し会見”が始まった。その内容を翌日に1面トップで報じたニッカンとスポニチの見出しをご紹介しよう。
厳しい見出しだったのはスポニチ
◆ニッカン
《中居氏トラブル当日 フジ否定社員関与 他の日のバーベキューやホテル会食は認める スマホ履歴などから「なかった」と断言「記録は消せる」の質問には「第三者委員会で調査」 肝心なポイントあいまいなまま デーブ・スペクターが斬る》
◆スポニチ
《被害者ケアと言いながら…フジ中居氏守った 女性側の意向確認せずに冠番組継続していた 「意志を尊重」強調しながら説明に矛盾 社長&会長辞任発表 大荒れ”やり直し会見” 「特殊な案件」回答に糾弾 打ち切りは相手側への「刺激に」苦しい言い訳 疑惑晴らすどころか…さらに信頼失墜》
ニッカンの見出しは中居氏のトラブルにフジテレビの社員が関与しているのか、という読者の疑問に答える内容だった。
スポニチはフジテレビが「被害女性より中居氏を守った」可能性もあると指摘した上で、“やり直し会見”でフジテレビの信頼は逆に失墜したと伝えた。
第2回【中居氏への忖度か、フジへの遠慮か…1面トップでの追及が“控えめ”だった「スポーツ新聞」4紙の「個別事情」】では、”慎重派”である報知、サンスポ、トーチュウ、デイリーの報道内容を詳報する。
<訂正に関することわり>
※この記事に登場する媒体名等に誤りがございました。1月29日付で訂正させて頂きます。
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