渦中の「中居氏」と「フジテレビ」をスポーツ新聞はどう報じたか…最も厳しい姿勢で1面トップを展開した「2紙」とは

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 元SMAP・中居正広氏の女性トラブルと、その対処を完全に間違ったフジテレビの問題は、共に解決の糸口が全くつかめない状況だ。1月27日から28日にかけてフジテレビは”やり直し会見”を開いたが、歯切れの悪い回答が多く、視聴者も広告主の企業も全く納得しなかった。芸能界とテレビ業界では依然として激震が続いており、ここで注目したいのがスポーツ紙の報道姿勢だ。(全2回の第1回)

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 読売、朝日、毎日、産経といった全国紙やブロック紙、地域密着の地元紙とは比較にならないほど、スポーツ紙は芸能ニュースに力を注ぐ。そして時と場合によっては芸能界との“力関係”や“しがらみ”までも紙面に反映される。

 例えば、故・ジャニー喜多川氏による性加害問題だ。出版メディアの中には雑誌や書籍で報じた社もあった。だがスポーツ紙は長い間、沈黙を守った。旧ジャニーズ事務所の不興を買うと日々の取材に支障をきたすからだろう。

 スポーツ紙にとって中居氏とフジテレビが重要な報道対象だったことは言うまでもない。だが昨年末から、両者の社会的信用に疑問を投げかけるスキャンダル記事が立て続けに報じられた。この大ニュースをスポーツ紙はどのように報じてきたか、改めて振り返ってみたい。

 対象としたスポーツ紙は以下の通り。五十音順に紹介する。

【1】サンケイスポーツ(サンスポ)
【2】スポーツニッポン(スポニチ)
【3】スポーツ報知(報知)
【4】東京中日スポーツ(トーチュウ)
【5】デイリースポーツ(デイリー)
【6】日刊スポーツ(ニッカン)

 この6紙を対象とし、期間は1月8日から28日の紙面とした。この20日間を具体的なできごとで振り返ってみよう。

スポーツ紙の1面が持つ意味

 8日のスポーツ紙は、「ザ!世界仰天ニュース」に関するニュースを大きく報じた。中居氏がMCを務めていたため、日本テレビが登場シーンを全てカットして放送すると前日の7日に発表したのだ。

 また24日の1面に強い印象を受けた人は多いだろう。同じく前日に中居氏は突然、芸能界から引退すると発表した。このため全6紙はいずれも1面トップで詳報した。

 前述の通り、27日にはフジテレビの”やり直し会見”が開かれた。午後4時から翌28日の午前2時過ぎまで、何と10時間を越える異例の会見となった。スポーツ紙は28日、会見の様子を大きく報じた。

 まさに激動の20日間だったと言える。そして各紙の報道姿勢を検証する“指針”として、「1面で報じた回数」を調べた。

 一般紙の1面は複数の記事が掲載され、ニュースの重要度や紙面のバランスなどを考えてレイアウトされる。一方、スポーツ紙の1面は最も重要な記事を1本だけ掲載する。そして1面の全面を使ってインパクトを強くするのが特徴だ。

 つまり1面に掲載した回数が多いほど、そのスポーツ紙は中居氏のトラブルやフジテレビの問題を重視するという報道姿勢を示したことになる。逆に回数が少ないスポーツ紙は、この件を報じることに消極的だった可能性がある。

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