「これからは代表とお呼びしてよろしゅうございますか」…会見不在「日枝氏」にフジ幹部がひざまずいた、8年前の“決定的瞬間”
「代表と呼ばれてきた」
実際、業績不振の戦犯たる日枝氏への“A級”待遇に変わりはないという。
さるフジ社員が嘆く。
「相談役になっても、会長時代と部屋も変わらず運転手付きの専用車や秘書役の社員も付く。会議での嘉納会長の様を見れば一目瞭然。日枝さんがトップで仕切ることに変わりはありません」
このような指摘について、フジテレビの広報は、
「フジサンケイグループ代表にも選任されており、代表という呼称に問題があるとは考えておりません」
確かに、日枝氏は未だに産経新聞社など系列94社4法人が連なるグループの代表に留まったままである。
だからといって、全社員を前にして、会長が相談役を最大級の敬称で持て囃すのは、およそ上場企業の全体会議としてどうだろう。かの北朝鮮を彷彿とさせる光景と言えなくもない。
改めて、件の発言主である嘉納会長に尋ねてみれば、
「『取締役相談役』だと長ったらしいので『代表』と言った方が呼びやすい。そんなに違和感はないと思います」
で、自宅へ戻ってきた日枝「代表」を直撃すると、
「私はずっと代表と呼ばれてきたんだ。フジサンケイクラシックも、彫刻の森美術館も、全て代表として仕事をしている。産経新聞からもそう呼ばれているから。院政を敷くとかはマスコミの皆さんが勝手に思っているだけで、ボクはまったく考えていない。(今後も意見を言うかと言われれば)それはそうでしょう。フジの取締役として善管注意義務があるから意見は言います。当たり前じゃないですか」
単なる取締役でも「代表」なら周囲も忖度するばかり。老害とならないためには引き際もまた大事では――。
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記事の後8年が経過したが、「日枝崇拝」は続いたまま。「スポーツニッポン」(1月27日付)は、今回の一連の「中居トラブル」を巡って辞意を伝えに来た港社長、嘉納修治会長、遠藤龍之介副会長に対し、日枝取締役相談役が「こんなことで負けるのか」と一喝したことを報じている。
87歳の「代表」の下で、果たしてフジテレビは生まれ変わることが出来るのだろうか。