「在留資格のないクルド人は自国に帰るべき」 川口市長が語る クルド人問題を巡って「殺害予告も受けた」

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「ウルセー! ババアガ」

 川口市の人口は60万7838人で、うち4万7954人が外国人。人口比率は約7.9%(24年12月、川口市調査)。日本人との共生が注目される中、クルド人による事件が続くのも冒頭で述べたとおり。刑事事件以外にも、子どもも遊ぶ公園のトイレでの“行為”、ヤードでの大音量のレイブ(音楽パーティー)、分別ルールを無視したゴミ捨て、“クルドカー”と呼ばれる過積載と思われるトラックの爆走……などが日常的に起きている。

 法務省は昨年6月に改正入管法を施行。以前は外国人は難民申請中であれば日本にいられたので、申請を繰り返し送還を逃れるケースがあった。しかし現在は、2度承認されなかったら強制送還できるようになった。

 それでも街を歩く市民に聞くと、肌感覚では、クルドカーとの遭遇は増え、市内のヤードが広がっているとも言う。

 ある高齢の女性は、自宅の隣の空き地が数日でヤードになった。高い塀が建てられ陽が当たらない。中にいるクルド人に塀を低くしてほしいとうったえると、片言の日本語で怒鳴られた。

「ウルセー! ババアガ、カネダスナラ、ヘイヲヤメテヤル」

 女性は震え上がった。一人暮らしでもあり、恐ろしくて引っ越しをしたという。

塀の中が見えるように

 ヤードは市内の北部、外環自動車道の北側の地域に集中していたが、ここ数年で外環道の南側にも広がってきた。

「塀の中で何が起きているのか、どんな人間がいるのか、見えないことが市民を不安にさせています。よって25年には、資材置き場の条例をもっと厳しくしたい。塀の一部を内部が確認できる素材にすることの徹底や資材置き場にある建築基準法違反の建物に対する指導も、併せて行っていきます」(奥ノ木市長)

 解体業に従事するのは在留資格を持たないクルド人が多い。実情を知るために、川口のクルド人経営の解体業者に工事を発注している日本エコジニアも訪ねてみた。本社は川口から西へ電車で約1時間、川越市にある。

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