今の「フジテレビ」に必要なもの 「ワイドナショー」後番組を託された“八股”芸人のポテンシャル
散歩番組「かのサンド」
中居正広氏の女性トラブルに端を発する一連の騒動により、開局以来最大の窮地に立たされているフジテレビ。そんなフジテレビで3月に終了する「ワイドナショー」の後番組として、サンドウィッチマンと狩野英孝の散歩番組「かのサンド」が始まることが発表された。サンドウィッチマンが、終の棲家を見つけるためにさまざまな街を散策していくというコンセプトの散歩番組だ。
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サンドウィッチマンはいまや好感度ナンバーワン芸人であり、数多くのレギュラー番組を持っている人気者だ。そんな彼らと狩野が一緒になって冠番組を任されることを意外に思う人もいるかもしれない。
ただ、狩野はサンドウィッチマンの2人と同じ宮城県の出身であり、「東北魂TV」(BSフジ)などバラエティ番組での共演も多い。地元愛の強い芸人同士の絆もある。
狩野はサンドウィッチマンに比べると、決してクリーンな芸人というわけではない。過去には不倫、六股(のちに本人が「八股」と訂正)、未成年女性との淫行疑惑と、数々のスキャンダルで世間を騒がせてきた。しかし、それでも人気が衰えることはなく、今でも愛すべき天然キャラの芸人として認知されている。
「千鳥のクセがスゴいネタGP」(フジテレビ系)で披露した歌ネタが話題になったこともあったし、自身のYouTubeチャンネル「狩野英孝【公式チャンネル】EIKO!GO!!」でのゲーム実況企画が大人気で、登録者数は219万人を超えた。いまやゲーム実況者としては国内屈指の人気を誇っている。
不倫騒動ひとつで身を滅ぼすタレントが数多くいる中で、なぜ狩野だけが許されているのか。その秘密は、彼の中に眠る「かわいげ」の埋蔵量が尋常ではないからだ。
タレントとしての狩野英孝の魅力は、本人が思っている自分と他人が見ている自分との間に「ズレ」があることだ。このズレ具合が実に絶妙なのだ。
芸人としてあれだけ長く活動しているのに、狩野はいまだに自分の面白さに気付いていない。テレビの収録に臨むと、自信があるときほどオンエアではカットされていて、手ごたえがないときほど面白がられて評判がいいのだという。
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