今日ついにフジテレビの命運をかけた「記者会見」…デーブ・スペクター氏が指摘する「守秘義務」「女子アナ」「接待文化」日米の決定的な違い

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接待文化の悪影響

「テレビのキャスターを目指すアメリカの大学生は必ずと言っていいほど、ジャーナリズム論を学びます。日本には『アナウンサー学院』なら存在しますが、ジャーナリズムを専攻できる大学は上智などに限られています。彼女たちは大学を卒業すると、何とかして地方のテレビ局に入ります。そこで頭角を現すと、ロサンゼルスやシカゴといった大都市のテレビ局に転職します。そこで更なる激しい競争に勝ち抜いた女性が、3大ネットワークやCNNなどでキャスターを務めるのです。高額な年俸が支払われるとはいえ、1年契約も決して珍しくありません」

 収入の桁は違うものの、日本ならセント・フォースに所属するフリーアナウンサーの働き方が、アメリカではむしろ普通だと言える。

 そのためABC、NBC、CBSなどに勤務する大物のプロデューサーが女性キャスターを「食事へ行こう」、「呑みに行こう」と誘っても、日本のような正社員同士の上下関係は存在せず、同席する義務もない。女性キャスターが断ることも珍しくないという。

「もちろん食事をしながら仕事について深く話し合うことが必要な時もあります。ただ、その時は昼食が一般的で、次に多いのが朝食です。お酒を呑む時間帯ではないので、夕食や酒席に比べると性被害のリスクは圧倒的に減少します」

酒席に呼ばれない男性アナ

 デーブ氏は「日本で、番組の慰労会に出演者の女性アナウンサーが出席するのは何の問題もありません」と指摘する。

「むしろ誘わないと仲間外れにしていることになります。一方、週刊文春や女性セブンの報道が事実だとしたら、日本の“正社員主義”と“接待文化”がトラブルに影響を与えたのは間違いないでしょう。上司が部下に取引先との接待に同席するよう指示すれば、なかなか部下は断れません。男性アナウンサー、ましてスポーツキャスターは話題豊富なのに、ほとんどそういった席に呼ばれないのは全てを語っていると思います。私が危惧するのは、テレビ業界に接待文化は悪影響が大きいことです。ドラマでもバラエティでもキャスティングを検討する場合、その出演者の実力より、芸能事務所とテレビ局の力関係や、接待の頻度などが影響を与えるからです。なぜ今のテレビ番組がつまらなくなったのか、その理由の一つを中居さんの問題は浮き彫りにしたと言えるのではないでしょうか」

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(註)フジテレビに不信増幅、異例のCM差し止め80社近く…キッコーマン提供の「くいしん坊!万才」休止(読売新聞オンライン:1月22日)

デイリー新潮編集部

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