便秘は「寿命を削る病気」「脳卒中のリスクが」 男性も要注意の便秘の完全予防策

ドクター新潮 ライフ

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発酵食品の取り過ぎに注意

 ただし、発酵食品は取り過ぎるとカンジダ菌という菌を増殖させ、その菌の型が変化して腸壁を傷つけ、腸内の免疫系がうまく働かなくなる恐れがあります。最強のシンバイオティクスにしても、週に1~2回にとどめ、バランスの良い食事に努めるのが基本です。例えば、芋やゴボウは食物繊維が豊富だから便通によいといわれますが、多く含まれているのは不溶性の食物繊維なので、そこに便が絡まって便秘につながってしまうこともあります。やはり、何事もバランスが肝心です。

 これまで説明してきたような便秘対策を自分で実践しても便秘が改善しない。あるいは自己流の便秘対策があり、これまでは効果があったのにそれが効かなくなった。その場合は、迷わずに専門医に診てもらってください。

 恥ずかしいなどと二の足を踏んでいる場合ではありません。なにしろ便秘は、「便秘ごとき」ではなく、確実に寿命を削る病気なのですから。

高野正太(たかのしょうた)
大腸肛門病センター高野病院理事長。1970年生まれ。東京医科大学医学部卒業。専門領域は肛門科、大腸肛門機能科。米国Cleveland Clinic Floridaで肛門領域の診療を学ぶ。2024年の秋より、大腸・肛門病の専門病院である「大腸肛門病センター高野病院」の理事長を務める。『シニアの便秘は寿命を縮める』などの著書がある。

週刊新潮 2025年1月23日号掲載

特別読物「脳卒中の死亡リスクは約2倍に 中高年の寿命を削る『便秘』完全予防策」より

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