便秘は「寿命を削る病気」「脳卒中のリスクが」 男性も要注意の便秘の完全予防策

ドクター新潮 ライフ

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病名が付くまでに

 さらに、温水シャワーはお尻を洗ってくれる「きれいなもの」という印象があるかもしれませんが、温水シャワーを出すノズルは便のかすなどが付着していて汚れていることも多く、清潔とは言い切れません。ですので、特に強い勢いで長い時間使うのはお勧めできません。温水シャワーの使い過ぎによる諸症状には、いまでは「温水洗浄便座症候群」という病名が付けられています。

 排便を促すトレーニングとしては、血液循環が良くなり、腸管の動きも促されるウォーキングが基本ですが、歩きさえすれば快便になるというわけでもありません。

漬け物と納豆

 そこで、私たちが病院でお勧めしているのは「ねじり運動」です。文字通り体をねじる運動ですが、腸管を刺激し便秘の改善・予防に役立ちます。また、ねじり運動には体幹筋、とりわけインナーマッスルを鍛える効果もあり、直腸圧が上がることでも排便力が増します。

 具体的には、二つのねじり運動を試してみてください。片足を前に出して上半身をねじる運動と、仰向けになって腰をねじる運動です。後者のねじり運動の際に、脇腹に手をあててもみほぐすと、腸を直(じか)にマッサージしている感覚が得られてより効果的です。

 便秘対策には「入り」である食事も大切です。加齢とともに腸内環境も乱れやすくなるので、それを改善することが快便のためには重要となってきます。腸内環境のバランスを整えるには、腸に有益な細菌であるプロバイオティクスと、その餌となるプレバイオティクスの二つが重要で、あわせてシンバイオティクスと呼ばれています。シンバイオティクス、すなわちプロバイオティクスとプレバイオティクスを同時に摂取することが腸内環境の改善に役立つのです。

 プロバイオティクスを含む食品としては乳製品や漬物、プレバイオティクスを含む食品には海藻類や、食物繊維の豊富な野菜や果物などがあります。例えば「ヨーグルトとキウイ」、あるいは「漬け物と納豆」という組み合わせは、最強のシンバイオティクスの一つといえるでしょう。

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