便秘は「寿命を削る病気」「脳卒中のリスクが」 男性も要注意の便秘の完全予防策
やや前傾姿勢
まずは「習慣づけ」です。例えば、腸の蠕動運動が一番強くなるとされる朝食後に、便器に座っていきんでみる。加えて就寝前にもう一度。1日2回くらい便器に座って排便しようと習慣づけることをお勧めします。とはいえ、先ほど説明した通り、過度のいきみはさまざまな弊害をもたらす恐れがあるので、せいぜい1分程度にとどめてください。
また、便が出やすい姿勢として、一番よいのは和式スタイルです。直腸が真っすぐになって便が出やすくなり、同時にいきみやすい姿勢でもあるからです。
しかし現在、多くは洋式トイレになっています。では、洋式トイレで排便する際に最も便を出しやすい姿勢とはどんなものでしょうか。私たちが検証を重ねた結果、ロダンの彫刻「考える人」のポーズが、最も排便しやすい姿勢といえます。
具体的には、便座に腰かけてやや前傾姿勢を取る。太ももと前傾させた上半身の角度が50度くらいになるのがベストです。この姿勢だと、やはり直腸が真っすぐになって排便がしやすくなります。それでも出にくいという人は、足を乗せる台を用意するとよいでしょう。さらにいきみやすくなり、直腸圧の増加率が高まるという検証結果が出ています。
温水シャワーの問題点
一般家庭の8割に広まっている温水洗浄便座の温水シャワーの刺激を、浣腸の要領で排便に利用している人もいます。たしかに刺激によって排便が促されるかもしれませんが、使い過ぎると感覚が麻痺してしまい、いくら温水シャワーの水圧を利用しても便が出ないという事態になりかねませんので要注意です。
また、温水シャワーの使い過ぎは肛門にも悪影響を及ぼすことがあります。肛門の皮膚は油分を含んだ膜で守られているのですが、強い勢いで温水シャワーを1~2分肛門に当て続けると、膜が飛んでしまい皮膚がむき出しになってしまいます。その結果、肛門周辺の皮膚に湿疹が出たり、肛門の皮膚が滑らかに伸び縮みしにくくなったりして、排便を邪魔する恐れがあるのです。
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