怒号のフジ「社員説明会」実況中継 「役員は総退陣しろ」「日枝政権を終わらせろ」の要求に港社長の回答は?
フジテレビは1月23日、東京・台場の本社で全社員に向けた説明会を行った。芸能界からの引退を発表したタレントの中居正広(52)と女性とのトラブルを巡り、17日に港浩一社長(72)らが記者会見を行ったものの、それが裏目に。CMを差し替えるスポンサーが相次ぎ、4月の改編期以降の経営が危ぶまれる事態となっている。社員たちは上層部にどう立ち向かったのか。
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【写真を見る】説明会の現場写真8枚。怒号の社員に、港社長は目をつむり、うつむき、頭を下げる
社員説明会に入る前に、まずは撮影や録音、SNS等への投稿は禁止とアナウンスされた。17日の会見と同様だ。最初に口を開いたのは嘉納修治会長(74)だった。
嘉納:皆さん、お疲れ様です。嘉納でございます。まず最初に皆様方にお詫びというか謝らせてください。一連のこの事案で、大変、皆様に不安、そしてまたいろいろ業務上もそうですし、いろんなことでご迷惑とご心配もおかけしました。本当に申し訳ありません。我々の経営――港社長と私が中心になってやっておりましたけれども――、私たち二人の判断とかいろんなところが至らなかったところがあるという風に私は思っています。まず最初に、お詫びをしたいと思います。本当にどうも申し訳ありません。
続く港社長も謝罪から始まった。
港:港です。お疲れ様です。この件に関して皆さんに多大なご迷惑、ご心配、業務の支障を招いていることを深くお詫びします。そして、今までこの件について皆さんにきちんと説明ができていなかったことについてもお詫びします。今日はその件についてのご説明と、それから皆さんからいただいた質問になるべくお答えして、それと皆さんのご意見も伺って、これから会社が信頼回復に向かっていくための大きな力にしたいと思っていますのでよろしくお願いします。
説明会を開くにあたり、社員から事前に質問を受け付けていた。その数は217件あったという。なかでも多かったのは、17日の会見をなぜオープンにしなかったのかというものだった。港社長がこれについて説明する。
17日は失敗した
港:毎月、定例社長会見っていうのをやっています。それがしばらく予定されてなかったので、その前倒しという形を取ろうという立て付けで決めました。ネット系も入ってくると、不規則発言や彼女のプライバシーがちょっと侵害される恐れもあるのではないかという懸念が一番大きく頭を占めて、ああいうクローズドな会見になりました。それで終わってから、失敗したと思いました。マスメディアのくせに、なぜカメラも入れないでやるんだと。もう本当に言われてみればその通りです。今言いながら、全て言い訳です。それでああいう会見になってしまい、クローズな形、マスメディアとしてありえない形の会見になってしまったこと、本当に深く反省していますし、あれをもう少しちゃんとできなかったかなというのは、今、本当に思っています。
事前に受け付けた質問に答えた後は、社員との直接のやり取りである。質問には様々なものがあった。
▼中居の女性トラブルを知りながら、バラエティのみならずパリ五輪やMLBのワールドシリーズにまで起用したのはなぜか。
▼コンプライアンス推進室の社員からは、トラブルについて一切連絡はなく、週刊文春の記者からの取材で知った。なぜ1年半も放置されていたのか。
▼月9ドラマ『119エマージェンシーコール』の担当者からは、横浜市消防局に特別協力してもらっているが、横浜市や消防局に市民からクレームが入っている。これが回復しなければ最終回まで放送できなくなる恐れもある状態をどう思うか。
こうした質問について明確な回答はほぼなかった。社員たちが最も熱を帯びたのは別の問題だった。
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