低迷する香港映画は「今が一番大変」だが「希望も見える」 「九龍城砦」アクション映画で“時の人”となった監督が語る「やるべきこと」

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香港映画は道があれば邁進する

「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」について、香港では「香港映画の復活」を喜ぶ声も多い。アップダウンを繰り返してきた香港映画界だが、近年のダウンが最もひどいからだ。チェン監督も「今は香港映画にとって一番大変な時期」と常々思っていると明かすものの、「希望はゼロではない」とも続ける。

「一番難しい時期ですが、一番希望に満ちている時期だとも思います。例えば、様々なジャンルの映画をたくさん観ることができる。一方では市場が非常に小さくなっていますが、それでもまだ、香港映画界にはとても努力している人たちが大勢いるのです。

 正直なところ、香港映画が今後どのような道を歩むべきかわかりません。映画界にいる人たちも、おそらく誰も知らない。誰にも先を予測することはできません。でも一つ言えるのは、香港映画は道があればどんどん邁進するということ。ゆっくりでも構わないから、とにかくひたすらやっていくことが大切だと思います。80年代もそうでした」

 全盛期の香港映画に憧れ、やがてその業界に足を踏み入れたチェン監督の前には、ひたすらに映画を作り続ける大勢の映画人たちがいた。

「当時は、香港映画が世界の潮流の1つを引っ張るようになるとは誰も予測していなかった。でも、当時の先輩たちが一生懸命に努力して、一生懸命に映画作りを続けた結果、80年代のミラクル、奇跡が生まれたわけです。だから私は、これからもとにかくひたすら前に行くしかないと思っています」

「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」新宿バルト9ほか全国劇場にて公開中 配給:クロックワークス

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 九龍城砦を“完全再現”した本作だが、チェン監督は子どもの頃、九龍城砦の中に入ったことがなかったという。第1回【超リアル再現の「九龍城砦」アクション映画が遂に日本上陸 ソイ・チェン監督が元住人への聞き取りで知った「伝説のスラム街」の意外な実態】では、公開前に観客の反応が不安だった理由などを語っている。

デイリー新潮編集部

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