「会議室に呼ばれ鍵を閉められ…」「A氏に多目的トイレに連れ込まれた社員も」 フジテレビ元社員女性が告発する「パワハラ、セクハラが横行する社風」
「もう地上波には戻れないと思え!」
そうした出来事の一つ一つが京子さんの気を滅入らせ、“納得できない”との思いばかりが募った。その上、忙し過ぎたこともあり、彼女は「会社を辞めよう」と思い詰める。それに対して会社側はBSフジへの出向を提案。京子さんはBSフジの広報部で働き始めるが、そこで彼女を待っていたのは厄介な上司だった。
「契約社員の交代がうまくいかず、広報部内での業務に支障が出た際、私が部長に相談したところ、何度目かの話し合いで会議室に呼ばれて鍵を閉められ……」
部長はこう怒鳴った。
「俺の仕事に文句を言うな。俺を誰だと思ってるんだ。お前のことなんてどうにでもできるぞ。もう地上波には戻れないと思え!」
京子さんが述懐する。
「彼は怒鳴るだけではなく、机やいすを蹴り上げました。私は翌日から全く眠ることができなくなってしまいました。体調を崩し、経緯を含め健康相談室の産業医に相談すると、“あなたはどんな覚悟でテレビ局に入ってきたんですか? ここはフジテレビです。休みたいってこと?”と言われて絶望してしまいました」
某スポンサー社長の娘
結局体調は戻らず、休職することになった京子さん。当時の人事局長は「ゆっくり休んで」と優しい言葉をかけてくれたが、復職時の人事局長は違った。面談の際、京子さんをこう怒鳴りつけたのだ。
「勝手に自分の都合でのんきに休んで、会社を何だと思ってるんだ。なめるな! お前の希望の部署はお前のこといらないって言ってるよ。仕方がないからそこらにでも座ってろ。席を用意してもらえただけでもありがたいよな。その代わり、その席からお前が動くことはないからな。今度、また同じようなことで休むんだったら分かってるよな」
こうした言動がパワハラにあたることは言うまでもない。
「後に、ある後輩から“私もその人事局長に怒鳴られたことがある”と聞きました。彼女は某スポンサー社長の娘で、『父に相談します、と言ったら、“お父さんに話すことではないよ”と人事局長は真っ青になってましたよ』と笑っていましたが、私の場合、何の後ろ盾もない。恐怖しかありませんでした」
人事局には役員など上層部が顔を出すことも多く、その中には後に社長になる港氏もいた。
「港さんはお気に入りの人事部のかわいい女性社員に、”人事でいじめられてない?”などとよく声をかけていました。こうしたやり取りなどを見るうち、この会社では上の人たちにどれだけ気に入られるかで社内人生が天国と地獄くらい変わるのだと気が付きました。仕事ができるかどうかは二の次。上層部や大物芸能人を味方につけた者が勝つ文化なのです」
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