「仙台出身サラリーマン」が33歳で「サンマルクHD」社長になった意外な理由

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「組織を変えるのは若者、よそ者、馬鹿者」

 こうして30歳にして同社の経営陣に加わり、その2年後に社長に就任することとなった藤川氏。元々の経営陣とのあつれきはなかったのか尋ねてみると、

「ありがたいことに、そういったことはありませんでした。というのも、私が取締役になったのが、ちょうどコロナ禍の頃だったんですね。会社に強い向かい風が吹く中、停滞した雰囲気を打破するには、私のような人間はちょうどよかったのかもしれません。『組織を変えるのは若者、よそ者、馬鹿者』なんていうくらいですから。難しい局面だったからこそ、思い切って仕事ができました。業績が絶好調のときにバトンを渡されていたら、それはそれで大変だったと思いますよ」

 そうは言いつつも、当時の業績への打撃は大きかったと振り返る。

「当社は全国にある店舗の97%が直営店。最初の緊急事態宣言が出たときは、ほぼ全店の営業を止めましたから、月のキャッシュアウトが20億円を超えたこともあり、毎日『明日は来るのか』状態でした」

 創業者の死去に、コロナ禍の打撃――。そんな苦境をサンマルクHDはいかにして乗り越えたのか。有料版の記事

カフェだけじゃない!「鎌倉パスタ」で稼ぎ、牛カツ市場を独占「サンマルクHD」の驚くべき経営術とは 36歳社長に森永康平氏が直撃

 では、V字回復を果たした現在の経営状況や、牛カツ市場に進出した狙い、今後の意外なM&A戦略、カフェやレストラン店舗の知られざる運営方法、そして藤川社長の経営哲学などについて、経済アナリストの森永康平氏とともに語りつくしている。

デイリー新潮編集部

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