「脱ぐことはできますか?」…マスターズで“ドレスコード違反”とされたゴルフウェア、意外なハッピーエンドと「懲りない」選手

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プレーとウェアが注目されるデイ

 PGAツアーの2025年シーズンは、ハワイでの開幕2戦を終えて、すでに米本土に移り、先週からは西海岸シリーズが始まっている。

 1月16日から19日の4日間、カリフォルニア州ラ・キンタのPGAウエストで開催されたザ・アメリカン・エキスプレスでは、PGAツアーで唯一のオーストリア出身選手、31歳のセップ・ストラカ(ストレイカ)が通算3勝目を挙げ、笑顔を輝かせた。

 そして、そのストラカに追撃をかけて3位タイに食い込んだジェイソン・デイも、大きな注目を集めていた。

 最終日、難度が例年より格段に上がったこのコースを果敢に攻めたデイは、16番パー5では見事、2オンに成功。しかし、イーグル獲得とはならず、終盤は短いパットを外す場面もあり、残念ながら勝利を掴むことはできなかった。

 それでもデイが人々の注目の的になっていたワケは、やっぱり彼が着ているマルボン・ゴルフ(以下、マルボン)のゴルフウェアが、多くのゴルフファンの興味や関心を引いているからに違いない。その意味でもデイは、人々の期待に十分に応え、試合終了後の話題を独占していたと言っていい。

契約当初は酷評の嵐

 デイは37歳のオーストラリア出身選手。2015年の全米プロ優勝を含むPGAツアー通算13勝を誇る実力者であり、長年の人気選手でもある。

 かつてデイは2016年から7年間、ナイキとアパレル契約を結んでいたが、2023年いっぱいでその契約は終了。そして、昨季の開幕戦、ザ・セントリーの試合会場、カパルアCCに“見慣れないウェア”姿で登場し、ゴルフ界を驚かせた。

 その“見慣れないウェア”こそが、マルボンのウェアだったのだ。

 マルボンはステファン&エリカ・マルボン夫妻が、2017年にオリジナルブランドとして立ち上げたアパレルメーカーで、ストリート系ファッションをコンセプトとするデザインが主体だと謳っていた。

 ゴルフ界への進出を望んだマルボンは、昨季からデイとアパレル契約を結んだ。その直後のデイのファッションは、シャツもパンツもセーターやベストも、すべてがダボダボしていて、正直なところ、あまりスタイリッシュには感じられなかった。

 SNSでも「パンツが太すぎる」「デザインがダサい」「グランパのクローゼットから引っ張り出してきたゴルフウェアみたいだ」などと、人々から酷評されていたが、デイ自身は「動きやすいし、気に入っている」と、ご満悦だった。

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