「モンゴル出身ながら、協会の幹部候補といっていい」 現役引退「照ノ富士」“第二の人生”が前途洋々たる理由

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本人に危機感はなかったが

 第73代横綱照ノ富士(33)が引退した。

 去年はフル出場が2場所のみ。膝や腰のけがに加え、持病の糖尿病が悪化し、体が悲鳴を上げていた。

“一人横綱のプレッシャーはいかばかりか”とねぎらう声がある一方で、

「引退されると、土俵入りがなくなり、客足が鈍る。なので、『やめろ』との叱咤(しった)も少なく、本人に危機感はなかった」

 とスポーツ紙記者が語る。

「ただ、先場所Vの琴櫻、準Vの豊昇龍が、今場所でそろって綱取りに挑むことになり、彼へのまなざしがにわかに厳しくなっていました」

 引退表明は4日目。2敗目を喫して決めたのだった。

「協会の幹部候補といっていい」

 今後はどうなるのか。

「まだ年寄株を取得していませんが、横綱特権で当面は伊勢ヶ濱部屋付きの“年寄照ノ富士”を名乗れる。7月に伊勢ヶ濱親方(元旭富士)が定年を迎える暁には、部屋を継ぐ見込みです」

 その部屋には、不祥事で自身の部屋を閉鎖したモンゴルの先輩、宮城野親方(元白鵬)がいるが、

「照ノ富士がやりにくいので、じきに処分が緩和され、再独立するのでは」

 そんなこんなで、新親方の前途は明るい。

「伊勢ヶ濱部屋は6人もの関取を抱える大所帯で、スカウト体制も万全。余計なことを言わず、黙々と努力する性格ゆえ、白鵬とは対照的に親方衆からも好かれている。モンゴル出身ながら、協会の幹部候補といっていいでしょう」

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