「お目付け役」がいなかった中居正広氏 突然の引退は「短期間での復帰が困難」と判断か
「個人」がまずかった
中居氏は好人物に見えるが、テレビ関係者や芸能プロダクション関係者の評判はあまりよくなかった。
「局の上層部には平身低頭だったが、自分の番組の若手スタッフらには横柄。相手によって態度が露骨に変わる。しかも計算高く、不遜なところがある」(日本テレビ関係者)
他局の関係者によると、中居氏が民放の女性社員が好きなのは有名な話だったという。女性社員との会食などさまざまな要望を局幹部らに出した。
なぜ、中居氏は要望を出したのかというと、自分が局にとって必要な存在と分かっていたから。
「中居氏のかつての所属先である旧ジャニーズ事務所の故メリー喜多川会長と考え方は同じ。自分の必要価値に見合うギャラ以外の報酬も望んだ。低視聴率に苦しむ局は中居氏を押さえたいから、要求を飲まざるを得なくなった。中居氏の番組は視聴率こそ高くないが、CMが売りやすかった。元SMAPのビッグネームですから」(民放幹部)
酒を飲むのが好きだったが、裕福なのに自宅で飲むことを好み、つまみをコンビニで買うこともあったという。
「家で飲むと、安心しきったり、飲み過ぎたりで、酔いすぎてしまいがちだから、誰かがたしなめるべきだった」(芸能プロ幹部)
中居氏がお目付役のいない個人事務所で活動したことを悔やむ声も多い。飯島三智氏(66)は中居氏と同じく元SMAPの稲垣吾郎(51)、草なぎ剛氏(50)、香取慎吾(47)の所属事務所・CULENを立ち上げたが、同社に中居氏も身を預けていたら、引退劇はなかったという見方がある。
一方でそれは絶望的だったと見る芸能関係者もいる。SMAPの解散騒動、解散があった2015年から2016年にかけて、リーダーの中居氏は旧ジャニーズ事務所からの退所を牽引する立場だったものの、徐々に飯島氏たちと距離を置いたからだ。
2020年には個人事務所・のんびりなかいを設立した。その後の中居氏は順調に活動したが、旧ジャニーズ事務所の影響で仕事に不自由をしていた飯島氏たちに手を貸すことはなかった。中居氏なら ではの計算があったのか。両者は一線を画した。
なぜ、引退を選んだのか。中居氏は頭がいいことで知られる。芸能界を退いたのは先を読んでのことだろう。
テレビ・ラジオのレギュラー6本は消滅した。最後まで残っていたテレビ朝日「中居正広の土曜日な会」(土曜午前11時30分)も22日に終了が発表された。
同局は公式ホームページでこう伝えた。「『中居正広の土曜日な会』は、視聴者の皆様からの様々なご意見、アドバタイザーの反応などを踏まえ、放送継続の環境になく打ち切ることを、編成幹部が中居さんに直接伝えご理解頂きました」
アドバタイザーとはスポンサーのこと。どの番組も番組に中居が存在してはスポンサーが付かないのである。スポンサーが付かなかったら、セットも立てられない。
スポンサーは視聴率よりイメージ第一。それはフジから70社以上のスポンサーが離れたことでも分かる。番組のキャスティングの最終決定権を握るのもスポンサー。スポンサーが首を縦に振らなかったら、番組側が予定していたキャスティングも流れる。バラエティもドラマもそう。
おそらく、中居氏のイメージが回復するまでに要する時間は1、2年では済まないだろう。アンジャッシュ・渡部建(52)は複数女性との不倫発覚から4年半が過ぎたが、まだ第一線に戻れていない。中居氏は短期間での芸能活動再開は不可能とにらみ、引退を選んだのだろう。
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