「渡辺恒雄」没して「松井秀喜」が巨人監督“前向き”発言連発 「引退後13年」読売にそっぽを向いてきた“決定的な原因”とは
年が明け、急に元巨人・松井秀喜の周辺が騒がしくなっている。長年、熱望されつつも断り続けてきたと言われる巨人の監督就任について、“前向き”とも見られる発言を連発しているのだ。メジャー移籍の際に確執があったとされる、渡辺恒雄・元オーナーが昨年12月に死去した折も折、いよいよ「松井監督」が動き出したのか、それとも……。
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【写真】イチロー、有働MCの突っ込みにタジタジだった松井秀喜
まず注目を集めたのは、1月5日、TBS系列で放送された「イチローVS松井秀喜~今だから話せる本音対談~」での発言だ。松井は昨年9月に東京ドームで行われた「高校野球女子選抜VSイチロー選抜 KOBE CHIBEN」の試合で、「イチロー選抜」の一員として参戦してホームランを放った。その流れでの対談である。そこで「10年後の自分」を聞かれた松井はこう答えた。
「長嶋さんが喜ぶことをしたいなと。元気なうちに自分の元気な姿を見せたいなという気持ちはありますけどね」。
スポーツジャーナリストの吉見健明氏が言う。
「プロ野球関係者で、松井のこの発言を聞いて、『NPB復帰』を想像しない人間はいません」
2002年、MLBに移籍し渡米した松井は、2012年オフの引退後もアメリカに留まり、NYに住まいを置き、ヤンキースのGM付特別アドバイザーを務めてきた。拠点を日本に戻し、NPBでユニホームを着るという選択肢は取らなかった。
一方、長嶋茂雄・巨人終身名誉監督は、松井が指導者として日本に帰ってくることを熱望。実際、2015年にはテレビ番組の取材に、「監督になることを願っている」と明言。松井が野球殿堂入りした2018年にも、「松井君には、いつの日か指導者として、その手で次代の日本を背負える4番打者を育ててほしいと願っています。それが今の私にとって、大きな夢の一つです」とのコメントを出している。
色めき立った山口オーナー
松井監督誕生を熱望しているのは、もちろん巨人も同じ。日米で実績を残し、国民栄誉賞まで受賞、しかもこれまでノースキャンダルの大スターが球団に戻ってきてくれれば、話題性抜群で、球団イメージの向上も見込める。
ゆえに、この松井発言に色めき立ったのが、山口寿一オーナー。1月7日、時事通信社の新年互礼会に出席したオーナーは、松井発言について、「そういうこと(=現場復帰)を言ってくれてんのかなと私は受け止めてはいますけれども」と述べた。そして、「メジャーに行ってからも長嶋さんが随分気にかけていてね。親子みたいなものでしょうからね」と続け、将来的な「松井監督」誕生の可能性についても、「ねえ、そういう風になるといいですよね」と発言したのである。
続けて、プロ野球ファンをより驚かせたのは、1月19日に放送された「有働Times」(テレビ朝日系列)。NYに赴いた有働由美子MCのインタビューに応じた松井は、「巨人からオファーが来たらどうしますか」との質問に、「う~ん」と悩んだ後、「自分の中でどこのユニホームを着るのが一番自然で、情熱が燃えてくるのかと考えたら、もちろん巨人なんじゃないかと思いますよ」と述べた。これを受け、有働MCもスタジオで「長嶋監督に、もう一回巨人のユニホームに袖を通す姿を見せたいという思いが(松井には)あられるんじゃないかと思いました」と語っている。
「言葉だけを見れば、“巨人からオファーが来たら受けますよ”と言っているようなものです。松井は慎重なタイプで、軽い話題ならともかく、こうした重い話題で、不用意な発言などはしません。その松井が言ったのですから、本人が前向きになっていると思っても間違いはないでしょう」(前出・吉見氏)
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