「ロレックスが暴落」は本当か? 中国経済が低迷も「正規品販売店」に行列が絶えない理由

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国産の人気が出れば、ロレックスの取引価格も下がる?

 一方で、国産ブランドである。量販店では定価の横に「20%OFF」のような貼り紙は見かけなくなったが、店員と交渉すれば値引きができる例が多い。それどころか、ある有名時計店では海外ブランドの高額な腕時計を購入した人に対し、国産ブランドを“おまけ”のような感覚でプレゼントしていた例もあるという。

「国産ブランドは売り上げが大きいせいか、量販店をいまだに“切る”ことができません。その割には、昔からそのブランドの腕時計を販売してきた時計店にノルマを課して、それを達成できなければ取り引きを停止している例もあります。目に見えないブランドとしての価値の追求こそが大事なのに、実際は数字ばかり見ているようにしか思えません」

 ブランド価値の向上を図るのか、それとも売り上げの向上を図るのか。スマートフォンの普及で腕時計を身に付ける習慣がどんどんなくなっている今、腕時計ブランドは差別化を図らなければ生き残れないだろう。良いものを安く、大量販売することを重視してきた国産ブランドは大きな岐路に立たされていると言っていい。T氏はこう話す。

「日本人は基本的に日本の製品が好きなはず。それなのに、腕時計の世界では国産ブランドの人気が高いとは、自信を持って言い切ることができません。私は、国産ブランドがロレックスの脅威になることが、ロレックスの価格を下げるためには必要だと思います。メーカーの方々にはもっと海外のブランドのやり方を研究してほしいですね」

取材・文=宮原多可志

デイリー新潮編集部

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