団塊ジュニアは“日本のガン”か? 年金にも頼れない「受難の世代」が長生きする“唯一の方法”とは

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すでに年金・健保は崩壊状態

 地上波のワイドショーや夕方のニュース番組では、年金支給日の年金受給者に密着し、苦しい台所事情を詳報する特集コーナーが人気だ。番組には月に数万円しか年金を受給できない高齢者が登場し、あの手この手の節約術を駆使する。思わずテレビに見入ってしまう視聴者も少なくないだろう。

「それでも2021年度の国の統計によると、夫婦2人の標準的な年金の受給額は22万円となっています。ただし夫は40年間就業し、さらに厚生年金にも加盟しているというケースです。テレビに登場するような月に数万円の年金しかもらえない方々は、無職の期間が長かったなどの原因が考えられますが、こうした高齢者は本来であれば生活保護の対象になるべきです。ところが行政は生活保護の支給を抑制しているため、日本人の貧困化は悪化する一方です。これから団塊ジュニアを筆頭として、氷河期世代が順次、受給世代となります。今より状況が好転しているはずはなく、受給額がどんどん減らされていても不思議ではありません。すでに日本の国民年金、健康保険制度は崩壊しており、氷河期世代の高齢化は崩壊を加速させると考えるべきなのです」(同・荻原さん)

 荻原さんは多数の著書で、収入が減り続け、将来の年金も全く期待できない状況で、どのように私たちが“自衛”するかを説いてきた。

参考になる“ミニマリスト”

 氷河期世代は今後、どうやって自分たちを守りながら生きていけばいいのか。残念なことに、解決策はたったの一つしかないという。

「手持ちの現金を増やし、出費を可能な限り減らす。これしかありません。そのためには健康に気をつけて長生きして、働き続けることが必要です。幸か不幸か人手不足は悪化する一方なので、今のところ仕事自体はあります。さらに出費の抑制ですが、かつて必要最小限の生活必需品で暮らす“ミニマリスト”が話題になりました。特に今の若者は、ごく自然にミニマリスト的なライフスタイルを選択しています。その分、『最近の若者は物欲がなく、消費しない』と批判されることも多いわけですが、氷河期世代もミニマリストのメリットを取り入れることは有益だと考えられます。消費が冷え込めば不景気になるとはいえ、そんなことを斟酌する余裕はありません。政府の無策が原因ですから、私たちは自衛をするより他に方法がないのです」(同・荻原さん)

 第1回【いまや大卒の就職率は「98.1%」で初任給「40万超」も…深刻な“若手不足”の一方で「氷河期世代」が全く報われないのはなぜか】では、令和の若者と氷河期世代の若者との絶望的なまでの“就職格差”を具体例を挙げて詳報する。

デイリー新潮編集部

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