いまや大卒の就職率は「98.1%」で初任給「40万超」も…深刻な“若手不足”の一方で「氷河期世代」が全く報われないのはなぜか

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「氷河期世代の怒り」

 衝撃的なのは、一部の統計サイトが当時の初任給を今の物価に換算した金額を発表していることだ。それによると16万円台という年も珍しくない。確かに当時の新卒社員は「大学生でバイトをしていた時のほうが収入は桁違いに多かった」と口を揃えていた。

 氷河期世代は、まさに石川啄木の「はたらけどはたらけどなお、わがくらし楽にならざり」が日常だった。これでは第3次ベビーブームなど起きるはずもない。Xでは“受難の世代”である氷河期世代についての投稿が殺到している。

《ボーナス時期や新卒バブルのニュースで氷河期世代の怒りが蓄積されていることを政府は自覚したほうがいい。復讐は必ずある》

《若者の人手不足が叫ばれていて、なら氷河期世代の中高年を雇ってやれよ、って普通思うのに、企業側が40代以上は要らないと拒否》

《氷河期世代なんてまともに就職できず派遣やバイトで食いつなぎ、正社員にしてもらえないまま派遣切り 今になって「自己責任」「なんで正社員じゃないの」とか言われた世代ですものね。就職できてもパワハラ・サビ残当たり前、心と体壊して退職、転職、派遣なんかも「自己責任」って言われて…》

 第2回【団塊ジュニアは“日本のガン”か? 年金にも頼れない「受難の世代」が長生きする“唯一の方法”とは】では、高齢者になっても常に不安と隣り合わせの生活を強いられる氷河期世代・団塊ジュニアのリアルについて報じる。

デイリー新潮編集部

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