いまや大卒の就職率は「98.1%」で初任給「40万超」も…深刻な“若手不足”の一方で「氷河期世代」が全く報われないのはなぜか
《初任給40万超えるわ,教師になれば奨学金返さなくていいわ,氷河期世代は白目ですね》──立命館大学・政策科学部の桜井政成教授がXに投稿した一文に、深く頷く人も多いだろう。「就職氷河期」や「氷河期世代」の定義は様々だが、1993年から2005年の就職活動で新卒採用が著しく減ったことを示すのが一般的だ。(全2回の第1回)
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1990年にバブル経済が崩壊し、日本経済は後に「失われた30年」と呼ばれる長い不況に突入した。この結果、「1970年4月2日から1982年4月1日まで生まれた世代」では正社員として採用されなかった学生が相当な数に達し、非正規雇用を半ば強制された。...