神戸市・タワマン税の標的は「中国人富裕層」 “所有しているだけで住んでいない”部屋が半分以上

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「ウィーチャット」など中国のSNSで神戸市の不動産を検索すると、億超えのタワマンの情報が続々と出てくる。現在、市内に立つタワマンは64棟。港町・神戸は中国人富裕層の格好の投資先でもあるのだ。ところが1月8日、同市がこれらタワマンの「空き部屋」の所有者に対して新税を検討していることが分かった。神戸市といえば2020年から中心部でのタワマンの建築に規制をかけていることが知られているが、今度はどんな事情があるのだろう。

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58%が居住の実態なし

 今回、新税が浮上したのは市の「タワーマンションと地域社会との関わりのあり方に関する有識者会議」の第4回会合においてである。報告書によると、市内のマンションでは高層階になるほど住民登録のない部屋が多く、40階以上では33.7%に上る。また同じく58%で所有者が住んでいる実態がなかった。

 つまり、オーナーは部屋を所有しているだけで、別の場所に住んでいるというわけだ。

 神戸市の企画調整局の担当者が言う。

「タワマンの住戸に所有者の方が住んでいないとなると、将来、さまざまな不都合が考えられます。例えば老朽化に伴う大規模修繕が必要になった際、本当の所有者の居場所が分からないと、合意形成が難しい。また、修繕積立金などの徴収ができず維持管理が困難になる可能性もあります」

 いうなれば、投資物件のように所有しているだけでは、実際の住民の負担が大きくなってしまうというわけだ。

タワマン投資の流れを変えるきっかけに

 案の定というべきか、この新税案が明らかになると即座に、中国では〈中国人投資家をターゲットに、日本の神戸市が空きタワーへの課税を準備中〉(テンセントニュース)などと報じられた。

 もっともこのタワマン課税、すぐに施行されるわけではない。条例案を議会で可決し、その後に総務大臣の同意を得なくてはならない。

「前例がないので実現までに1年以上はかかるでしょう」(前出の担当者)

 それでも住宅評論家の櫻井幸雄氏が言うのだ。

「タワマンを持っている外国人は、日本に住んでいなければ住民税を取れないし、亡くなっても相続税が入ってきません。神戸市の提案は、中国人富裕層の間で人気だった日本のタワマン投資の流れを変えるきっかけになるかもしれません」

 小池東京都知事も見習ってはいかが?

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