自死した「兵庫県議」が漏らしていた「立花に恐怖を感じている」の意味 当の立花氏は「自ら命を絶つような人は政治家しちゃいかん」
1月18日、元兵庫県議会議員の竹内英明氏(50)が亡くなった。「NHKから国民を守る党」の党首・立花孝志氏(57)はその経緯を「彼は逮捕されるのが怖くて自ら命を絶った」などとSNS等で発信していたが、20日夜、自身のYouTubeチャンネルで発言内容を訂正したうえで謝罪。立花氏の発言を兵庫県警のトップが「全くの事実無根であり明白な虚偽」と全面否定した直後のことだった。ところが、その舌の根も乾かぬうちに、彼は新たな動画で都合の良い主張を拡散させている。
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【写真】遺されたままの竹内英明・元県議のHP 議員辞職直前まで頻繁に更新されているが、最後は胸が痛むような内容の投稿となっていた
1月20日に配信された「立花孝志」チャンネルでの発言から一部を抜粋する。
立花:竹内元県議がお亡くなりになったことで、一部公開していたもの(動画)を非公開にしたりしてですね、「逃げてる」という指摘もいただいておりますが、(中略)僕はおかしいと思ったらこれからも指摘するし、間違った時にはごめんなさい――。いっぱいやっているから間違うこともあるんですよ。今回も竹内さんに関しては、僕の認識ではお亡くなりになる1月18日までに、僕はそんなに何か批判や誹謗中傷したっていう記憶はないんですよ。もちろんね、お亡くなりになった後に「逮捕されそうだ」とか「任意の事情聴取を受けている」とか言っていたけれど、個々については別にそんなに命を絶つようなことではないと思っているんですよ。
「いっぱいやっているから間違うこともある」というレベルの間違いではなかったはずだ。しかも、竹内氏が亡くなる前に「批判や誹謗中傷した記憶はない」と言う。
立花氏はパワハラ疑惑などを追及された斎藤元彦兵庫県知事(47)の失職を受け昨年10月31日に告示された出直し知事選に立候補した。ところが、本人に当選する意思はなく、再選を目指す斉藤氏の支援に回った。選挙運動では、百条委員会で斉藤氏を追及した県議らを追い詰めた。その中の一人が竹内氏だった。
「電話線は抜いた」
立花氏は「竹内の事務所にも行く」「皆さん、竹内を見かけたとか、Twitterとかでダーッと書いてください。僕、追いかけに行きますから」と街頭演説で呼びかけていた。彼が聴衆を煽ったことは間違いない。竹内氏と同じ「ひょうご県民連合」に所属する上野英一県議は言う。
「YouTubeをはじめとするSNSの誹謗中傷、これがあまりにも酷かった。私のところにまで無言電話がかかってきたほどですから、竹内くんの家にはもっとかかっていたと思います。ですから、彼の奥さんも『政治の道から退いてほしい』と言っていたそうです」
竹内氏と古くからの知人も口を揃える。
「嫌がらせの電話をお子さんが取ってしまったこともあったそうです。『そういうことがあるから、電話線は抜いてしまった』とも言っていました。ピンポンダッシュもあったそうですし、彼よりも先に家族が参ってしまったんです。それで彼は県議を辞職したんです」
もちろん立花氏は、自分以外の者が行った誹謗中傷やイタ電、ピンポンダッシュなどは無関係と言うに違いない。立花氏の弁明は続く。
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