後藤真希(39)はなぜスキャンダルがあっても愛される? ママタレでも美魔女でもない「ゴマキ」というカテゴリーを確立

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珍しいほどの承認欲求のなさ ママタレでも美魔女でもないカテゴライズできない魅力

 ゴマキの不倫が許されているのは、元から素行不良のヤンキーイメージがあったから、とよく言われる。とはいえ、同じようにヤンキーを売りにしていた木下優樹菜さんが不倫疑惑を報じられた際には冷たい目が向けられていたのを思うと、単なるヤンキーという以上の何かがあるのでないか。

 ゴマキを見ていると、あの世界の人には珍しく承認欲求のない人だなと思う。さまざまなアイドルたちが、手を替え品を替え、時には交際相手をダシにしてまでも「私を見て!」をやるのに、ゴマキは無頓着である。夫も不倫相手も一般人、地元・江戸川区を愛し、港区女子の「み」の字もない。美容やファッションもそれなりにこだわりがあるものの、大好きなのはゲームで、パーティースナップのような華やかな場ではあまり見かけない。

 だからといってはなんだが、自分の体を見せる時ももったいぶらない人ではないか。加護ちゃんが何度もアダルト業界からのオファーがあったことをトークネタにしている間、ゴマキは3回くらいセクシーな写真集を出していることに感心してしまう。暗い過去を背負いつつも明るい脱ぎっぷりというギャップに、ヤンキー感よりも健気さを感じるファンもいるだろう。

「私を見て!」ではなく、「見たけりゃ見ればいいじゃん」という平然としたスタンス。そこにはいやらしさや下品さというよりも、母性のようなおおらかさが漂う。ファン思いということでも有名なゴマキだが、ヤンキーはヤンキーでも情に厚い、肝っ玉母さん的な印象だ。だからゴマキをジャンルでくくるのは難しい。ママタレというにはセクシー過ぎるし、美魔女というほどお高く止まってもいない。グラビアアイドルとしては成熟し過ぎているが、セクシー女優ほどあけすけではない。カテゴライズできない、ゴマキというカテゴリーを確立したタレントだと言うしかないのである。

不倫したのに美容雑誌にも大抜てき スキャンダルさえも「信頼の実績」に変えるすごみ

 そんなゴマキ、今では出版界の潮流も変えている。デビュー25周年の節目として出版された写真集「flos」はバカ売れ。過去最高の露出度という過激さも話題を集め、発売から1カ月で重版8刷に達したという。オリコンの週間ランキングでは、日向坂46や乃木坂46の現役アイドルのファースト写真集を抑えて上位をキープし続けており、アラフォータレントとしては異例というほかない。

 一方でサービスショットの多さに、女性層からは戸惑いの声も聞かれる。そこまで安売りしなくても、とゴマキ世代ほど思ってしまうだろう。でもゴマキがすごいのは、人気女性誌でも重宝されているところなのだ。

 セレブな良妻賢母をロールモデルとする、「JJ」「VERY」の版元である光文社の「美ST」に、昨年レギュラーモデルとして大抜てきされた。江戸川っ子の不倫タレントなんてお呼びじゃない雑誌のはずだが、ゴマキの変わらぬ美貌と人気にはあらがえなかったのだろう。

 思えばこの光文社系の雑誌、「きょうは男友達と久々のデート」「後輩くんからまさかのお誘い」とか、「人妻なのに変わらずモテる私」の演出がよく使われていた。美魔女として名前の挙がるMEGUMIさんや長谷川京子さん、吉瀬美智子さんなどは今やみなバツイチであり、現役「感」はあっても恋愛事情は明らかにされにくい。その点、不倫しながらも離婚は回避し、セクシーな写真集も大人気という「実績」が報じられ続けるゴマキは、「信頼に値する人妻」と思われたのかもしれない。

 不倫さえも「信頼の実績」に変える脅威のタレント・ゴマキ。それでもきっとひょうひょうと、江戸川の風に吹かれているのだろう。日本の未来が明るいかは分からないが、ゴマキの笑顔には世界がうらやむ夢があるんじゃないか。

冨士海ネコ(ライター)

デイリー新潮編集部

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