尹大統領逮捕でも“支持率逆転負け”…韓国国民は「李在明」野党の何に怒っているのか
「国際的な恥」弾劾支持の声も
もちろん、この日は尹大統領の弾劾を支持する声も高まっており、弾劾反対デモが行われていた周辺では、弾劾賛成派による抗議活動も展開されていた。賛成派は尹大統領を呼び捨てにし、無責任で混乱を助長していると非難した。
「尹錫悦即時弾劾」というプラカードを掲げていた40代の男性は、
「裁判所が発行した正当な逮捕令状の執行を、自らの都合で回避する人物が、本当にこの国の大統領であり得るのか。むしろ弾劾の理由がさらに明確になったと思う」と語った。
また、「全国民主労働組合総連盟」に所属する若い女性は、こう強く批判していた。
「非常戒厳の中、全国が混乱し、国民は今も衝撃から立ち直れていない状況。尹錫悦は捜査機関からの召還に応じず、最終的には逮捕されるべき立場にある。それにもかかわらず公邸に隠れ、支持者を盾に国民同士の対立を煽っている。この状況は国際的にも恥ずべきことだ」
2日後の“異変”
尹大統領に対する世論調査の変化が報じられたのは、この2日後の1月5日だった。韓国世論評判研究所(KOPRA)が1月3日から4日にかけ、全国18歳以上の男女1,000人を対象に行った調査で、尹大統領の支持率は40%に達しのだ。「非常に支持する」が31%、「支持する方だ」が9%という結果だった。特に、20~30代の肯定的な評価が35%以上を記録した点は注目された。
戒厳宣言以前、尹大統領の支持率は20~30%台で、戒厳宣言直後の昨年12月9日には17.3%にまで低下していた。当初はさらなる低下が予想されていたのだが、KOPRA以外の機関の調査結果でも同様の傾向が確認された。尹大統領の支持率上昇に伴い、与党『国民の力』の支持率も上昇。こうした流れが、先に触れた与党の支持率逆転につながったのだろう。
戒厳宣言当初こそ、与党内にも大統領の弾劾に賛成を表明したり、離党を求める議員がいた。しかし1月3日の朝には与党「国民の力」の国会議員40人が官邸入口に集まり、公捜処の進入を阻止しようとしていた。また5日には、与党所属の市長や道知事12人が共同声明を発表し、「公捜処による大統領内乱疑惑捜査と逮捕令状の執行を即刻中断せよ」と訴えた。
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