「亡くなる1週間前に“立花が怖い”と」 死亡の元兵庫県議が周囲に語っていた本音と苦しい胸の内

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「普段はズバズバ物を言う男だけに信じられない」

 パワハラ疑惑に端を発する犠牲者は、これで3人目となってしまった。兵庫県の斎藤元彦知事(47)を巡る告発文書問題。その調査を担う県議会の百条委員会委員だった竹内英明さん(50)が、今月18日に自殺したのだ。これまで、パワハラ問題を告発した県民局長、公金不正支出疑惑が指摘された案件に関連していたとされる担当課長の2人が自死したとされている。そして今回は元県議会議員……。竹内さんが生前、知人に漏らした最もショックを受けた出来事とは――。

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「昨年11月の知事選前に、立花が“おい、竹内! お前のところ行くぞ”などと言ったあたりから、あまりにSNSの誹謗中傷がひどくなった」

 と振り返るのは、竹内さんが県議として所属した会派「ひょうご県民連合」の幹事長・上野英一氏だ。

「亡くなる1週間前に同僚議員が電話をした時も、竹内は“立花が怖い”と言っていたそうです。竹内と私は兄弟以上の付き合いをしてきたと思っていますけど、普段はバンカラでズバズバ物を言う男だけに信じられない。それだけ追い詰められていたのでしょう」

ネット民の標的となり自宅住所が書き込まれる事態に

 ここで名指しされた立花とは、N国党の党首・立花孝志氏(57)である。竹内さんが亡くなった翌19日にも、立花氏はSNSで“兵庫県警に逮捕されるのを苦に自殺した”などのデマをネット上に拡散。県警本部長が“全くの事実無根であり、明白な虚偽”と全否定したことで、立花氏は謝罪に追い込まれている。

 そもそも立花氏は、知事選に自ら立候補しながら斎藤知事への応援を明言。竹内さんら知事の疑惑を追及する県議を、SNSなどでののしってきた。それが呼び水となり、竹内さんは“斎藤擁護派”のネット民の標的となって、自宅住所が書き込まれるに至ったのだ。

「折しも闘病中の母親が亡くなり……」

 竹内さんと20年来の親交を持つ友人が明かすには、

「高校の同級生が個人情報をさらしたことで、竹内君は身近な人からも憎まれたと大変ショックを受けて、気に病んだというのです。自宅へのピンポンダッシュや嫌がらせ電話がひどく、子供たちが“お父さんは悪い人なのか”と精神に不調をきたし、学校へも行けなくなってしまった。折しも闘病中の母親が亡くなり、竹内君は自分への誹謗中傷が死期を早めたのではと、自責の念に駆られていました」

 1月23日発売の「週刊新潮」では、「政治家になるべくして生まれてきたような男」「快活な関西のオッサンを絵に描いたような人」と評された竹内氏が精神的に追い込まれていった過程について、近しい友人らの証言を基に報じる。

 また、関連記事【「家族のために頑張ります」と語った2カ月後…知人が証言「兵庫・竹内県議」はいかに誹謗中傷に苦悩していたか】では、LINEのIDを変更するなど竹内氏が誹謗中傷に苦慮していた様子や、知人に明かしていた家族への思いについて報じている。

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 こころの悩みを抱える相談窓口は以下の通りです。

・日本いのちの電話連盟
電話 0570-783-556(午前10時~午後10時)
https://www.inochinodenwa.org/

・よりそいホットライン(一般社団法人 社会的包摂サポートセンター)
電話 0120-279-338(24時間対応。岩手県・宮城県・福島県からは末尾が226)
https://www.since2011.net/yorisoi/

・厚生労働省「こころの健康相談統一ダイヤル」やSNS相談
電話0570-064-556(対応時間は自治体により異なる)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/soudan_info.html

・いのち支える相談窓口一覧(都道府県・政令指定都市別の相談窓口一覧)
https://jscp.or.jp/soudan/index.html

「週刊新潮」2025年1月30日号

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週刊新潮 2025年1月30日号掲載

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