恩師が明かした「イチローの”ある変化”とは」  「指導の喜び」に目覚めたかのようなイチローの姿に感じた「人間的な成熟」

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人間的な成熟

 イチローの母校・愛工大名電高校の野球部監督で「恩師」に当たる倉野光生氏も、愛弟子の“変化”に驚いた一人だ。

「昨年11月、私たちの練習に参加してくれたイチローですが、実は18年前にも一度、来校したことがありました。ただ当時の彼は、黙々と練習に取り組み、生徒たちに対し“背中を見て学べ”とでもいうような鬼気迫る緊張感を漲らせていた。しかし今回は“走塁はこうするんだ”や“いまのバッティングは良かっただろう”など、声をかけながら手本を示し、常に生徒たちの反応を気にしていたのが印象的でした」(倉野氏)

 周囲への目配りや気遣いだけでなく、自分の説明が生徒にきちんと伝わっているか、倉野氏に確認を求めてくるほどだったという。

 まるで「指導の喜び」に目覚めたかのようなイチローの姿に人間的な成熟を感じ取り、感慨もひとしおだったと倉野氏は語る。

日本人初のメジャー監督

 そのイチローが殿堂入りの先に見据えるのが、指導者の頂点ともいえるメジャーリーグ球団の監督への道だ。

「いまも“マリナーズ愛”を抱き続けるイチローと球団は相思相愛の関係にあるとされ、すでに球団側がイチローに監督就任を水面下で打診しているとの情報もあります。問題は若手指導の経験は豊富なものの、コーチなどを経ずに監督に就くのはメジャーでは異例な点。そのため殿堂入りで箔を付け、反対の声などを抑えたいと球団側は考えているそうです」(前出の在米ジャーナリスト)

 日本人初のメジャーリーグ監督という、次なる偉業に早くも胸が膨らむ。

週刊新潮 2025年1月23日号掲載

ワイド特集「狂った世界」より

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