「結婚しようね」の言葉から2年…一度は宙に浮いた縁談が実を結んだ! 「400年続く名家の15代目」が一目で引かれたお相手とは

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縁を引き寄せた“共通点”

 同じ月、和司さんが誘って東京・恵比寿の和食店で初デート。学生時代や家族の話題を交わす中、彼は、彼女のカバンに手ぬぐいが入っていることに驚いた。

 永楽屋は手ぬぐいの企画、製造、小売りも手がける。

「親友が好きで集めていて、その影響で私も何枚か持っていて」

 そう話す恭子さんに、彼は「周りに手ぬぐいを持つ人はなかなかいない」と、さらに興味を覚えた。

 彼女が大学院時代に京都でアルバイトしていた場所のはす向かいに永楽屋の路面店があったこと。双方豪州留学の経験があり、1年違いでシドニー市内のごく近所で暮らしたこと。多くの共通点も判明した。

 次のデートは翌3月、和司さんから交際を申し込み、恭子さんも快諾。だが、世をコロナ禍が襲い、緊急事態も宣言される。

「結婚しようね」と確かめ合って…

 その間、和司さんは米国公認会計士の資格取得に向けた勉強に精進した。彼女の自宅で食事し、人けのない時間帯に目黒川沿いを散歩して、満開の桜を愛でるデートも楽しんだ。

 長い時間を共にし、意識は結婚へと向く。23年2月ごろ、「結婚しようね」と意思を確かめ合い、式場の下見などを始めた。婚前に「お互いに行ったことのないところへ行こう」と長崎、佐賀両県を訪れた。佐世保バーガーなどのローカルフードや、仕事柄関心のある地方の百貨店や小売店の現場を見て学びも得た。

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