「維新を離党してウチに加わる公算が大きくなっている」 自民党が触手を伸ばす“有名議員”の名前
30年ぶりの少数与党に陥った石破茂政権を相手に、野党は“やりたい放題”。理由は衆議院における12議席の不足(議長は自民に含む)だが、自民党はその解消に躍起だ。
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「維新」の生々しいあつれき
「水面下で、複数の野党議員に触手を伸ばして取り込みを図っているんです。狙いは日本維新の会で、とくに前代表の馬場伸幸系の議員らが対象だとか」
とは野党担当キャップ。
「維新は昨年10月の衆院選で野党第1党を目指したものの、6議席を失い、比例票も前回から約300万票を減らす惨敗を喫した。それでも当時の馬場代表は“大阪では全勝した”と辞任を拒否。吉村洋文大阪府知事系の議員から集中砲火を浴びて、代表選不出馬に追い込まれました」
吉村系は大阪選出の国会議員や大阪府議・市議が中心とされる。彼らは馬場氏をはじめ、藤田文武前幹事長や遠藤敬前国対委員長ら当時の執行部が党費で高額な飲食を重ねることに、不満を募らせていたと伝わる。
「吉村系議員からは、馬場氏に対し“堺市議上がりが偉そうに”と半ば感情的に批判する声もありました」
維新関係者が耳打ちする。
「吉村・前原(誠司)共同代表の新体制が発足するや、馬場系議員は軒並み閑職に追いやられた。新たに執行部入りした吉村系の若手にアゴで使われる毎日で、自民党出身の馬場さんは“自民に帰りたいわ”とボヤいています」
党内のあつれきは生々しく、
「前原さんは12月の党会合で“教育無償化を巡る自公維協議を始めることで合意した”と、補正予算案への賛意を表明した。すると馬場系の浦野靖人衆院議員が“口約束で決めるほどわが党の賛否は軽いのか”と疑義を呈した。会場には険悪な空気が流れましたよ」
“移籍”の候補者は
他方、「ウチがこの状況を見逃すはずないよ」と言うのは、当の自民党関係者。
「動きが出るのは2月下旬から3月上旬。衆院で新年度予算案が通過した後、馬場氏と親しい菅義偉副総裁が働きかけて、馬場、藤田、遠藤、浦野の四人が離党し、ウチに加わる公算が大きくなっている」
加えて、衆院無所属会派「有志の会」に属する保守系議員の北神圭朗、緒方林太郎、吉良州司の三氏も、自公への協力が見込まれる。
これで過半数まで5人。
「注目は、先の代表選で吉村氏に敗れた当選2回の金村龍那衆院議員とその周辺。金村氏の推薦人には馬場系の浦野氏が加わっていたので、当時は“別働隊”と怪しまれた。他にも阿部司、猪口幸子、阿部圭史、池畑浩太朗の四人の衆院議員の名も。五人はいずれも“非大阪組”で、それぞれの選挙区には自民党の現職がいないか、いても高齢者や非主流派だ」
彼らが与党への“移籍”が容易とみられるゆえんだが、
「ネックは全員が比例復活組であること。国会法の規定で、次回の選挙まで他党の会派には入れない。ただ、新党を立ち上げれば政権への協力は可能で、このやり方でも与党は過半数を確保できるわけだな」
新党結成なら、維新の非大阪組の参加も視野に入る。
「となれば、居丈高に年収の壁の引き上げや教育無償化を求める国民民主党の玉木雄一郎や“言うだけ番長”の前原はお払い箱だろ」
またも国民不在の“コップの中の争い”が始まった。