「川口はクルド人のもの」「東京湾に沈める」などのメッセージが… 川口市議が明かす苦悩 「無免許運転、他人名義、無保険が横行」などの問題も
人懐こいクルド人
赤芝新田に入るクルド人は各ヤードに散っていった。巨大なトラックが舗装されていない水たまりだらけの路地を、両脇の木の枝をバキバキと折りながら進んでいく。
自転車で追うと、樹々が茂っている奥に小さな空き地が開け、倉庫のような建物があり、テントでパンやドリンクが売られていた。解体現場へ向かう前のクルド人が続々と集まり朝食を取ったり、テイクアウトしたり、活気に満ちている。せっかくなので、焼き立てのオリーブのパンを買った。500円也。無料のチャイ(お茶)とともに食べる。温かくもっちりしておいしい。ボリュームもある。
そこにはクルド人しかいないので、中東を訪れた気分になる。早朝のヤードを訪れる日本人は珍しいのだろう、流ちょうな日本語で話しかけてくるクルド人もいる。
「ワタシノオクサン、ニホンジン。コトバハカノジョニオシエテモライマス」
人懐こい人が多い。対面で話すと、刃傷沙汰や婦女暴行やひき逃げをするような人たちには見えない。彼らに住まいを聞くと、川口市の他にもいると分かった。蕨、浦和、越谷……あたりだ。
地域住民の反応に違和感
赤芝新田は住宅や商業施設が原則として建てられない市街化調整区域。日本人の人口は約330人。世帯数は約170。代々暮らしている地主が多い。お年を召した方が多く、クルマの暴走やレイヴの騒音で迷惑しているはず。
しかし、話を聞いてみると意外にも穏やかな反応だった。お墓の掃除をする年配の女性に尋ねた。
「早朝はにぎやかです。でも子どもが登校する時間は道を規制しているので、それほど危険は感じません」
ランニング中の年配の男性も話してくれた。
「迷惑なときもありますが、うるさい!と怒鳴ると、スミマセーンって、日本語で謝って静まりますよ」
ほかにも住民の人と会話を交わしたが、迷惑なこともあるけれど仕方がない、という発言ばかり。クルド人と地域住民が微妙なバランスで共生している印象だ。本当かなあ? なんとなく違和感を覚える。
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