「日本人も10年後にはわれわれを理解する」 騒音問題を起こしたクルド人の驚くべき主張 「公衆トイレで行為」など数々の問題行動も
ごくふつうのベッドタウン?
ともあれ川口市の最初の印象は、多国籍感は強いが、ごくふつうのベッドタウン。平穏だ。これでは編集部からのミッション、クルド人によって荒れた川口のルポは書けないのではないか。
しかし取材を進めると、駅前の光景と報道とのギャップの理由が分かった。
川口市の面積は61.95平方キロメートル。東京に当てはめると、千代田区と港区と新宿区を合わせた面積よりも広い。クルド人は前川、芝、上青木、柳崎、北園町……など、駅から離れた地域に分散して暮らしている。東京の丸の内あたりにいる人が新宿歌舞伎町の実情を知らないのと同じで、トラブルが発生している地域とそのほかとのギャップは大きい。
クルド人が日本に住み続けるためのメソッド
川口市に住むクルド人は約3000人とされる。正確な数は行政でも不明。入管局(出入国在留管理庁)が市と情報を共有していない。
これまでに約9700人のクルド人が日本に来て難民申請しているが、認められたのは1例のみだという。
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の難民の定義では次のとおり。
「人種、宗教、国籍、政治的意見または特定の社会集団に属するという理由で、自国にいると迫害を受けるおそれがあるために他国に逃れ、国際的保護を必要とする人々」(UNHCRのホームページより)
この難民の定義に日本に来るクルド人は該当しない。にもかかわらず、日本とトルコは友好関係にあるので、トルコ国籍のクルド人たちはビザ免除で入国し、在留資格のないまま川口市にとどまる。
まず正規のパスポートで入国し、入管局に難民申請。しかし難民申請する外国人が多過ぎて入管が処理しきれず、審査結果が出るまで2~3年を要する。その間入管施設に収容されるのが原則だが、飽和状態なので“仮放免”の名目で日本に滞在する。さらに就労資格も住民票も健康保険もないので、仲間を頼って川口市などで暮らす。仮放免中、多くの場合クルド人は解体業で不法就労。結局難民申請は承認されないが、再申請して滞在期間を延長。これを何度もくり返し、川口で暮らし続ける。
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