佐々木朗希(23)マー君反面教師に“イチローへの配慮”に成功も…面談の「宿題」が招いたMLB球団の“反感”とは?
ド軍は「シン・悪の帝国」
田中の表明は「プレミア12」で日本代表が決勝に臨む直前だった。田中は球界のビッグイベントの盛り上がりを削いだとの批判を受けたことは記憶に新しい。佐々木サイドは慎重に移籍先発表のタイミングを計り、イチロー氏の日米での偉業に支障を来さないようにしたのではないだろうか。
その半面、米メディアやファンの反感を抑えることに有効な手立てはなかったようだ。かねてドジャースとのタンパリング(事前交渉)が囁かれた中で、佐々木の代理人を務めるジョエル・ウルフ氏が各球団との交渉を前に「密約説」を明確に否定したものの、結局はドジャースを選んだだけに、疑惑の火種は燻り続けたままだ。そこに昨季ワールドシリーズを制覇したドジャースへのやっかみが加わる。
「佐々木を加えた先発ローテーションはメジャー最強という評価です。昨季は課題だった先発陣を整備できたことで、今季もワールドシリーズ王者の最有力候補に挙がります。豊富な資金力をバックに大型補強を繰り返すやり方は、かつてのヤンキースのように“悪の帝国”扱いされています」(同前)
佐々木の宿題にメジャー球団は怒り心頭
さらに米球団の間でも佐々木サイドに対する反感は高まっている。それは1次面談に進んだ8球団に与えた「宿題」に起因するものなのだという。米メディアによると、この宿題とは「昨季、佐々木の直球のスピードが低下した原因を分析し、二度と起きないようにするためのプランを立てること」だった。
「各球団、佐々木にアピールしようと、ロッテ時代のデータを調べ上げ、全力でプレゼンしたと聞きます。佐々木にとってはタダで自身の課題改善のための材料をもらったようなものです。各チームの知恵が佐々木に集まり、それはドジャースの知るところにもなります。結局はドジャースを利したことになっただけなので、その他の球団が怒り心頭なのも仕方ありません」(同代理人)
佐々木は1次面談で有力選手の同席を拒否したとの報道もあった。
「大谷はエンゼルス移籍に際し、ドジャースを断りました。面談にはエースだったカーショーが結婚記念日にもかかわらず同席でも同席しましたことは有名な話です。そもそもDH(指名打者)がないナ・リーグに行くつもりがなかったようで、カーショーは『無駄な時間を使わされた』と当時は大谷に好意的な見方をしていませんでした。同じ轍は踏まないようにしたのでしょうが、佐々木にはその時の大谷以上の反感が生まれているようです」
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