フジテレビのアナウンサーたちが労働組合に加入し始めた 中居正広問題を受けて「弱小労組」が社員に送った”檄文”

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 世間からの批判は鳴り止まず、スポンサー企業のCM撤退も止まらない。中居正広の女性トラブルをめぐり窮地に陥ったフジテレビでは社員たちも焦燥感を募らせている。これまで著しく加入率が低かった労働組合に参加する社員が続々と増えているというのだ。

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「社員やその家族の生活を脅かしかねない」。組合が持った危機感

〈中居正広氏に関する問題の事実関係については、会見が開かれたもののクローズドな開催で未だ社員に対する説明が十分になされておらず、組合としても情報収集にあたっているものの、真偽不明のところが多分にあります。

 一方で事実として、フジテレビで働く社員が、不安な思いを抱えて仕事にあたらざるを得ない現状があるということ。番組制作や営業活動など多方面で支障が出てきていること、社員やその家族の生活を脅かしかねないことが起きていると認識しています〉

 これは「フジテレビ労働組合」が1月20日に社員向けに送ったメールである。文章には組合としても手をこまねいていられないという危機感が表れている。

〈今回の問題は内容が多岐にわたっており、単純に解決できるものではなく、いま社員に出来ることは、会社が少しでも良い方向に向かっていくために、役員や上層部による解決を待つのでは長期化は避けられないことから、社員からも会社に働きかけるべきだと考えます〉

〈社員が主体的に動かずして、社会にもう一度信頼してもらえるフジテレビに刷新されることは無いと思います。そのためにも、より多くの社員の皆様に組合にご参加いただき、会社と対等に向き合う組織として、会社により多様な意見や提案をしていけたらと考えます〉

創業家の鹿内家が組合運動に否定的だった

 注目すべきは続く次の一文である。

〈フジテレビの労働組合について、決して強いという認識を持たれてはいないと思いますが、今回の問題を機に多くの社員が組合に加入し、先週木曜以前の倍近い人数となりました。それでも現在のフジテレビの状況を打破していくためには、まだまだ足りません〉

 ”倍増”とはどういうことか。フジの中堅社員が解説する。

「実はうちは民放各社の中でも労組が弱いことで有名なんです。創業家の鹿内家が組合運動に否定的だったことが原因と聞いています。一般の社員も加入するようになったのは、2018年頃くらいから。電通社員だった高橋まつりさんが自殺した事件を受けてです」

 それでも加入者は限られていて、

「ついこの間まで全社員が1300人ほどいる中で100人にも満たなかった。技術職が中心の組合でした。業績低迷が言われて久しいですが、なんだかんだ言ってみんな他のサラリーマンに比べたらいい給料をもらっている。あえて組合運動をしようというモチベーションが生まれなかったのです」(同)

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