中居正広問題「フジテレビにとって被害女性はもう他人なのか?」社長会見で元テレビ朝日法務部長が気づいた「3つの違和感」と「中居との相似点」
タレント・中居正広の女性トラブルにフジテレビ社員が関与していたとされる一連の報道に対し、同社の港浩一社長が17日、初の記者会見を行った。この会見内容を読んだ元テレビ朝日法務部長の西脇亨輔弁護士は、中居正広氏が出したコメントとの「共通点」を指摘する。
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港社長が記者から問われてようやく言った被害女性に向けた言葉
フジテレビの公式ホームページには、今回の会見冒頭の社長発言が掲載されている。それを読んだ私は、奇妙な感覚に襲われた。
「中居正広氏のコメントと似ている」
今月9日に発表された中居氏の謝罪コメントと、不思議なほど共通点が多かったのだ。
まず第一に、どちらも被害を訴える女性に対するメッセージが一切ない。 中居氏は女性とトラブルがあったことは事実と認めつつも、女性への謝罪はなく、ただ「双方の代理人を通じて示談が成立し、解決していることも事実です」と述べた。
一方、フジテレビ社長の冒頭発言も、お詫びの相手は「視聴者の皆様」「関係者の皆様」だけで女性は挙げられていない。社長は女性が医師の診断を受ける事態になったことやプライバシー配慮が必要だとは述べつつも、女性の現況を思いやる言葉はなかった。
そして最後に記者から女性へのコメントを問われると、社長はこう答えた。
「『女性に対して何か』ということであれば、活躍を祈ります」
それは「もう関係なくなった人」への言葉にも聞こえるものだった。
「仲間うち」は庇い続けた中居とフジ
一方で中居氏もフジテレビも「自分の仲間うち」には思いやりの言葉を繰り返す。これが両者の共通点の2つ目だ。
中居氏は、仕事仲間であるテレビ局スタッフが、中居氏の姿を番組から消す編集作業や放送中止対応に追われている現状について「私自身の活動においても、ご苦労を強いてしまっている」とコメント。さらにフジテレビ幹部が事件に関与していると報じられたことを念頭に「このトラブルについては、当事者以外の者の関与といった事実はございません」と幹部を助ける発信をした。
かたやフジテレビ社長は、女性の対応にあたった社員たちを真っ先にかばった。女性側は事件後すぐに同社のアナウンサーらに事件のことを相談したが、「大変だったね」などと言われただけで「守ってもらったという感じではなかった」と答えたと報道されているが、これに対して同社社長はこう断言した。
「女性から相談を受け、日々向き合っていた社員を非難する一部報道もありましたが、私はそうは思っておりません」
フジテレビ社員への一斉メールにも社長は「私自身としましても、職務に誠実に対応していた人が悪く書かれることは本当に残念です。フジテレビは社員を守る温かい会社でありたい。社長として全力で皆さんを守ります」と記したとされ、「被害女性をさしおいて、会社の指示で女性に対応した社員にだけ『温かい会社』を目指すのか」という批判も出た。
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