収入が途絶え、亡き母の墓所を手放し…「淡路恵子」長男・島英津夫さんが告白した、没後10年の“地獄”と再生
2つの決断
いよいよ窮地に陥った島さん。昨年、弁護士の勧めもあり、ある決断をしたという。
「コロナも明け、体調も回復してきた。舞台に復帰したいと思いました。しかし、それが上手くいってお金が回ってくるようになっても、借金があれば、またそこにのしかかってくる。弁護士の先生が言うには、母の入院費を一生支払い続けるのはおかしいし、母自身も望んでいないことではないかと。恥ずかしいことではないから、と言われて、自己破産することを決意したんです」
手続きは昨年、終了。こうして島さんは法的に免責された。その手続きを進める中で、島さんはもうひとつ、別の決断をした。
「母のお墓のことです。親父(=萬屋錦之介)の墓は立派なものが鎌倉霊園にあり、そこに3男と4男は眠っています。そして同じ鎌倉霊園の別の所に、生前の母は墓を建てるための土地を買っていた。母の死後、お骨は知人に保管してもらっていましたが、いつかそこに墓石を立て、母を納めてあげたいと思っていました。そのため、管理費だけは支払い続けていました」
しかし、自己破産に伴い、弁護士が調査をしたところ、生前、淡路さんは墓所の維持のための費用を、40万円ほど未払いにしたままであったことがわかったという。
「墓石を新たに建てるのに300万円ほどかかる上に、その未払い金も乗っかってくる。今の自分にはとても無理だと思い、その墓も昨年、手放しました。母のお骨はいずれ納骨堂のようなところに収め、自分も将来は、そこに一緒に入って眠りたいと思っています」
未だめまいなどの症状に苦しむものの、リハビリをしつつ、島さんは今、週5日、リサイクルショップで働きながら、舞台復帰のための稽古に勤しむ日々だという。ちなみに住まいは6畳半の一間だ。
実は島さんには初婚の妻との間に、1人娘がいる。離婚後は一度も会えていないが、生活を立て直し、いつか「父」として再会することが目標だという。
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