授業に集中できないから「キャラもの文具はNG」の理不尽… 子どもの思考停止を招く“不合理な規則”に現役教諭が警鐘を鳴らす

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正門前の店でのみ買い食い許可の妙

 個人でノートや文房具を購入するときにはキャラクター入りのものを避けるように指示されることがあるのに、学校から一律に配布されるノートにはポケモンやドラえもんなどのキャラクターが入っている場合がある。

 同じキャラクター文房具なのに、学校から配付される場合は問題にされないのだ。一つ考えられるのは、それが「学校の管理下」にあるかどうか、ということである。キャラクターが入っているかどうかが問題なのではなく、それを学校が認めたうえで使っているかどうかという点が問題なのだ。

 ここからわかることは、判断の中心が子どもではなく学校側にあるということだ。これは私の長男が通っていた高校のケースだが、学校説明会に顔を出すと、生徒指導の先生が校則について詳しく説明していた。おおむね納得できるものだったが、買い食いについての説明だけは首をかしげざるをえないものだった。

「高校生といえども、買い食いはダメです」

 時代に即していない部分はあると思うが、まあここまではいい。だが、次のセリフには耳を疑った。

「ただし、高校の正門前の商店での飲食だけは認めます」

 まさか商店主との個人的なつながりがあるわけではないのだろうが、こうした恣意性は、学校というムラ社会でのみ通じる独特の価値観である。もちろん、校則で定められているはずもない。おそらくは、この高校で長年にわたって守られてきた不文律で、とはいえ誰かが教えなければ絶対にわからないルールなので、周知の徹底をはかるべく保護者を集めての説明会で告知したに違いない。

 もし知らずにコンビニで買い食いしているところを見つかったら、

「どうして、〇〇商店で食べないんだ?」

 そんな、不条理きわまりない注意を受けることになるのだろうか。そもそも校則の存在理由は「子どもたちが快適な学校生活を送れるようにするため」であるべきだ。ところが学校は校則だけでは飽き足らず、多くの不文律まで取りそろえて子どもたちを縛ろうとする。それが学校にとっては楽で都合がいい方法だからだ。

 それぞれの教員が子どもたちに「私はこう思う」と自分の言葉で伝えて納得させるのではなく、頭ごなしの規則を使って管理しているのだ。このやり方ならば、個々の教員が矢面に立つことはない。「学校組織としてそうなっている」と言われれば、子どもたちには反論する相手がいない。

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