相撲界に流れる「宮城野部屋」復活説 「いつまでも制裁を科し続けるわけにはいかない」
2024年の角界で最も衝撃的だったニュースは、元横綱白鵬の宮城野親方(39)率いる宮城野部屋が閉鎖したことだろう。宿敵の日本相撲協会から“禁じ手”を食らい、土俵際に追い詰められてしまったのだ。しかし、ここにきて、部屋が復活するかもしれないという声が聞こえてきた。
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宮城野親方が、弟子だった元幕内北青鵬(23)の暴力行為を止められず、監督責任や報告義務を怠ったとして、階級降格などの処分を受けたのは24年2月のことだった。
「その後、さらに不祥事の責任を取らされました。4月以降、宮城野部屋は無期限の閉鎖となり、同じ伊勢ヶ濱一門内の伊勢ヶ濱部屋に預けられたのです。この時点から宮城野親方や弟子たちは、伊勢ヶ濱部屋に所属する身となりました」(大相撲担当記者)
相撲ファンからは、協会が科したこれらの制裁について「やり過ぎだ」という声も上がった。
「過去、角界では幾度となく暴力問題が発覚してきましたが、宮城野親方ほどの厳しい制裁を科された例はなかったからです。協会は、相撲界を乗っ取らんばかりの野心を隠さなかった親方が心底嫌いなんでしょうね」(同)
“宮城野部屋を復活させるのでは”
そして、ここへきて、昨年12月4日に発売されたムック本『伊勢ヶ濱部屋 SPECIAL FANBOOK 2025』(東京ニュース通信社)が波紋を呼んでいる。
角界関係者によれば、
「これは、伊勢ヶ濱部屋の全面的な協力のもとで作成されており、公式本と言って差し支えない内容となっています。その誌面には旧宮城野部屋関係者が一切登場しません。本のタイトルに〈2025〉と新年を表す数字が冠されていたことで、“そろそろ彼らは伊勢ヶ濱部屋からいなくなり、宮城野部屋を復活させるのではないか”と言われ始めているのです。10年、木瀬親方(55)が暴力団との関係を問題視され、木瀬部屋が閉鎖となった時、部屋の再興は2年後でした」
二人は犬猿の仲
そもそも、宮城野親方が受けている制裁は、不祥事の内容と釣り合っていないという。
「木瀬親方のケースと比べても重過ぎるといえます。2年を待たずして宮城野部屋が復活するのは、おかしな話ではありません。協会としても、いつまでも制裁を科し続けるわけにはいかないと思いますよ」(前出の関係者)
伊勢ヶ濱親方(64)が今年7月に定年を迎えることも、宮城野部屋復活に影響を与えそうだ。
「7月以降、伊勢ヶ濱部屋は伊勢ヶ濱親方の弟子、横綱照ノ富士(33)が継ぐとみられています。その時、宮城野親方がまだ部屋から出られずにとどまっていたら、同じモンゴル出身の後輩である照ノ富士としては、やりにくいでしょうね」(旧宮城野部屋関係者)
二人は犬猿の仲で知られる。17年10月、“貴ノ岩暴行事件”が起きた現場で、照ノ富士は宮城野親方から正座を強要され、説教を受け、膝のけがが悪化したといわれている。
「伊勢ヶ濱一門は照ノ富士が部屋を継ぐ前の段階で、何とか宮城野親方が出ていけるように協会に働きかけるでしょう。そう考えれば、自ずと宮城野部屋は復活することになると思います」(同)
東京・東駒形の旧宮城野部屋が入っていたビルの郵便受けは、いまだに部屋の名前が記されたままになっている。これもまた、復活を見込んでのものなのか。