“確認が得られていない”軍艦島の映像をタレ流して反日をあおったNHKの罪 元島民は「謝罪を求めたが、上層部が了解しない様子だった」

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「大変遺憾に思う」と発言

 これにNHKは、「当時の端島における取材に基づき制作・放送されたもの」と回答。局による検証を経たのち、21年12月にも「端島炭坑以外のものであるとの結論には至らなかった」と、調査結果を伝えていた。

「23年4月には、NHKの稲葉会長が参院決算委員会で、映像が韓国の施設で展示されていることについて『元島民の方々が名誉を傷つけられたとお感じになっていることは大変遺憾に思う』と発言しました。ですが翌月の同委員会では、映像が著作権の保護期間を過ぎており、韓国に展示取りやめを求めるのは『法的な根拠もなく、実効性に限界があると考えている』とも述べていたのです」(前出のジャーナリスト)

 その後も「島民の会」が求めてきた稲葉会長との面会はかなわず、有志は昨年1月、東京簡裁に調停を申し立て、12月17日に成立。これを報じたのが冒頭である。

どうしても謝罪を了解しなかった上層部

 調停調書によればNHKは「作業員全員がヘッドランプを付けていない場面」「坑道内で電球を使用している場面」の映像について、現時点において、端島炭坑内で撮影されたものであるという確認が得られていないことを認めている。また島民側がNHKに道義上の謝罪を求め、NHKは強い遺憾の意を表明するとの条項も含まれている。

 元島民側の代理人である北浦一郎弁護士が言う。

「調停成立まで、相手方とは5回のやり取りがありました。相手方は当初、『あれは端島の映像です』と従来通りの姿勢でしたが、当方は早い段階で、戦前戦中戦後の大学の鉱山学部の記録やGHQの報告書などをリストで提出。『証拠固めをしていますよ』という姿勢を見せたわけですが、ここから相手方の対応が変わってきたと感じました」

 それでも、

「最ももめたのは謝罪についてです。当方は金銭など要求しておらず、『時間がかかって申し訳ない』という道義上の謝罪を求めました。相手方の代理人もその意味は理解していたのですが、上層部がどうしても了解しない様子で、『強い遺憾の意を表明』でどうか、と打診してきました。相手方には無謬(むびゅう)性というか、自分たちが世に出したものに間違いはない、といった意識を感じました」

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