石丸伸二氏会見にオールドメディア側が猛反発「偉そうに。何が“あなたなら合格”だ」「市長時代と同じで記者クラブをだしに使いたかっただけ」
記者たちの前でいきなり「プロ失格だ!」と説教を始めたかと思ったら、急に持ち上げて「さすがです」。やたら記者を意識した発言に終始した、広島・安芸高田前市長の石丸伸二氏による新党設立発表会見。新聞・テレビの記者たちは石丸氏の言葉をどう受け止めたのか。“本音”を聞いた。
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参加資格に満たなかったフリー記者たちを「小馬鹿にした発言」
会見が開かれたのは1月15日だが、直前にあった3連休中からゴタゴタは始まっていた。石丸氏サイドが都庁記者クラブに宛てた会見の案内文がネットに流出してしまったことが原因だった。
「当初会見は都庁内の記者クラブ会見場で行われる予定でしたが、石丸氏サイドは日程や場所が公に知られたことに激怒。『これでは自称・ジャーナリストの怪しい人間まで入ってきてしまう』と中止すると通告してきました」(都庁クラブ記者)
結局、13日になって自分たちが用意した貸し会議室に場所を変更。物議を醸したのがその参加条件だった。都庁記者クラブや雑誌協会に所属する大手メディア以外のフリーランス記者に対しては、〈登録者数100万人相当のネット媒体を有するか否かを基準とさせていただきます〉。ほとんどのフリー記者の出席を拒んだのである。
そのため会場入口付近の廊下には参加資格に満たない記者やYouTuberらしき人たちが殺到。始まる前から「なんで入れてくれないんだ」と揉める騒ぎになった。
石丸氏はその様子を横目に見ながら会見場に姿を現すや、入れなかった人たちをこう茶化した。
「ラーメン屋開店前みたいになっていたんですが、あの皆様はどなたなんですかね? とりあえず来てみたって状態ですかね? 出待ちなのかな? 私も暇があればお付き合いするのは構わないのですが、おかげさまでこの後もスケジュールがありまして、可能な限りでいじって差し上げたいと思います」
そして「記者クラブを詰める」と、新党結成の話はさておいていきなり記者たちへの説教を10分以上の時間を割いて始めたのである。
フリー記者に制限をかけた「本当の理由」
石丸氏の怒りポイントは、①案内文がネットに流出したこと②都庁記者クラブがフリー記者の参加について原則制限を設けていないことの2点だった。
「重大事故です。過失があったのは明らか。それなのに謝罪がない。その姿勢が驕っていると糾弾しておきます」
「まずはルール化。情報の扱い。情報の扱いがいかに大事かは私なんぞに言われなくても皆さんの方がよくよく存じているはずですよね。それで飯食っているのですから。プロ失格です」
「YouTuberの方、自称ジャーナリストの方、たくさん今いらっしゃいますよね。どこに線引きをするのですか(略)。廊下にざっと並んでいますが、ああいうみなさんがいるとみなさんが取材できなくなってしまうんですよ。一定の線引きを作った方がいい」
こう訴えた後、情報管理の徹底と会見参加のルールを見直さない限り「二度と都庁記者クラブは使いません」と言い放ったのだった。
この主張について某新聞社デスクは呆れてこう反論する。
「確かに案内文がネットに流出したのはこちら側の不始末です。決して良いことではない。ただ都庁記者クラブでは元々開かれた会見を行なっている。案内文自体もそこまで重要機密な扱いではないし、大勢の記者が共有してしまう以上流出するのも仕方がないことなのです」
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