香港で空前の大ヒット「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」は「絶対面白くなると思った」 アクション監督・谷垣健治氏が明かす“アツすぎる”撮影秘話

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最初から「絶対面白くなるじゃん」

 ただし、「イップ・マン」シリーズを手掛けた現場プロデューサーから企画を聞いた最初の時点で、傑作になる予感はあったという。

「信頼できる現場プロデューサーのチームと、プロデューサーの1人がウィルソン・イップ、監督がソイ・チェンというところにまず惹かれました。『絶対面白くなるじゃん』と。で、九龍城砦。『難しそうなことやるな~』と思ったけど、ヒットするかどうかはさておき、このチームでは悪い映画になりようがない。しかも、美術がマック・コッキョンだから」

 ウィルソン・イップは「イップ・マン」シリーズの監督。マック・コッキョンも同シリーズや「孫文の義士団」などでおなじみの美術監督だ。アクションやスリラー作品に定評があるソイ・チェン監督は、「アクシデント」や「西遊記」三部作、「リンボ」など数多い代表作を持つ。

 俳優陣もサモ・ハン(大ボス)やルイス・クー(龍捲風/ロンギュンフォン)やリッチー・レン(秋兄貴)など50~60代の大御所と、レイモンド・ラム(陳洛軍/チャン・ロッグワン)やテレンス・ラウ(信一/ソンヤッ)など30~40代の次世代たちがキャスティングされた。

香港で撮影中だったのはこの作品だけ

 そんな“黄金チーム”が結集した「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」だが、予定されていた撮影期間が2021年のコロナ禍と重なってしまう。広東省広州市の古い建物を使った撮影がキャンセルされた後、2021年の夏に再び話が動き、最終的には香港での撮影が決まった。

「香港で撮影できたのが1番良かった。エキストラもみんな香港の人ですから。広東語の世界だし、歩き方から身振りまでだいぶ違うと思います。香港でやることによって美術費やアクション部の人件費などはだいぶ上がったんだけど。でも、結果的には良かったです」

 コロナ禍という特殊な状況は、もう1つの効果を生む。普段の現場よりもさらに濃密な人間関係が形成されたのだ。

「香港で撮影中だったのはこの作品だけだったんですよ。僕らはホテルから外にも出られず現場に行くだけっていう感じだったんで、そういう意味ではすごく(人との距離が)近かったと思います。現場では毎日、撮影したものをみんなで見て『これは面白くなる』っていう実感もあった。モニターがあってチェン監督がいて、その横に僕がいて、その後ろで役者たちが『このシーンどうする?』とかいろいろと話していたんです」

 ネタバレは回避するが、本作のアクションにおけるクライマックスシーンにも、そんな会話の中から生まれたアイデアが生かされている。

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