人的補償で巨人「伊藤優輔」を獲得のソフトバンク…「超大物投手」を狙う“もうひとつの大型補強”とは
高まって来たバウアーのNPB帰還
昨年12月のウィンターミーティングでのことだ。彼の代理人であるレイチェル・ルーバ女史が一部の日本メディアに見つかり、DeNA帰還の可能性を質問された。彼女は「日本に戻るなら、DeNAは選択肢のいちばん上にある」と明言したが、さらにこうも答えていた。
「これはビジネスですから、選手と球団が最善の利益を考えるのは当然。選手なら誰もが最高峰のリーグでプレーしたいと思っているはず。トレバーもその気持ちは変わらない」
いちばんの目標はメジャーリーグ球団との契約であり、それが叶わなかったときにDeNA帰還も考えるという。その姿勢は昨年と変わっていないようだが、気になる情報も交錯していた。ルーバ女史が「DeNAを含む複数のNPB球団とも交渉している」と語ったことだ。
「バウアーは20年にサイ・ヤング賞を獲得しているので、日本でも沢村栄治賞を獲ってみたいと話していました。このダブル受賞の話はメキシコリーグで投げていた24年シーズン中、米メディアの取材でも触れています」(米国人ライター)
24年はメキシコリーグ・レッドデビルズに所属し、10勝、負けナシ。防御率2.48。83回3分の1を投げて「奪三振数120」という驚異的な数値を残したのは既報通りである。特筆すべきは、メキシコリーグは「打高投低」の傾向が強いこと。球場の多くが高地に造られているためで、そこでワンマンショーのようなピッチングを続けたのだから、バウアーの右肩はサイ・ヤング賞にも選ばれた20年に匹敵する状況にあるわけだ。ところが、
「ウィンターミーティング中、メジャーリーグ各球団の編成トップからバウアーの名前を聞くことはありませんでした。真相は分かりませんが、獲得NGリストに彼の名前が入っているなんて話もありました」(前出・同)
こうした米球界の状況を聞くと、NPB帰還の可能性は高いと見るべきだが、ルーバ女史は「ビジネス」「NPBの複数球団と交渉中」とも口にしている。DeNA以外の複数球団のなかに“貪欲な補強”を続けるソフトバンクが入っていることは想像に難くない。
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