人的補償で巨人「伊藤優輔」を獲得のソフトバンク…「超大物投手」を狙う“もうひとつの大型補強”とは
フロント主導の編成?
福岡ソフトバンクホークスが、巨人に移籍した甲斐拓也(32)の人的補償として、投手の伊藤優輔(28)を獲得することが16日に発表された。ソフトバンクの小久保裕紀監督(53)が甲斐の補償について初めて言及したのは、わずか3日前の1月13日のことだった。
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地元和歌山市内のホテルでの祝賀会を兼ねた新春激励会に出席した後、記者団に囲まれて、「まだ決まっていない」「次のズームミーティングで話し合う」と、人的補償を行使するかも含めて未定であることを強調していたが、気になる発言もあった。
「まだ全然、どういう選手がいるのかは見ていません」
甲斐獲得に成功した巨人から28人のプロテクトリストが届いたのは、昨年12月27日。額面通りに受け止めれば、リスト到着から2週間以上が経過していたのに、首脳陣はチーム編成について何も話し合っておらず、この3日間で決めたということになる。もっとも、一本釣りする巨人選手が誰なのかを悟られたくない“フェイク発言”だったのかもしれない。それとも、54人もの育成選手を持つ余裕がそう言わせたのだろうか。
「ソフトバンクはフロントが強い権限を持ってチーム編成を進めていきます。その結果を王貞治会長(84)に報告・相談をし、最後に小久保監督など現場の首脳に伝えます。フロント側は『現場に要望を聞いて』と言っていますが、巨人側から届いたプロテクトリストを見せて具体的な選手名を聞くのではなく、どのポジションの選手が欲しいのかといった、おおよその輪郭を聞いているようです」(地元メディア関係者)
フロント主導の編成は決して悪いことではない。中・長期に立った選手編成は重要であり、「正捕手喪失の痛手」とその対応策を冷静に判断できるのはフロント幹部のほうかもしれない。
「今オフのソフトバンクの補強ポイントは、右の先発投手と左のリリーバーです。甲斐喪失による捕手の補強に関しては、『若手を育てるべき』という意見と、レギュラークラスの好捕手を他球団から獲って当面は凌ぐべき、との声も聞かれました」(前出・地元メディア関係者)
まず、「右の先発」は前レッドソックスマイナーの上沢直之(30)を獲得し、現役ドラフトでもDeNAの上茶谷大河(28)を指名している。また、交換トレードでは同じくDeNAの左腕・浜口遥大(29)を得ており、こちらは先発、救援のどちらでも務まるタイプだ。
さらに、この中に新加入の伊藤が入るのかだが、伊藤は当面、リリーフで起用される公算が大きいという。
伊藤は都立小山台高から三菱パワーを経て、20年ドラフト4位。プロ1年目の21年11月に右肘のトミー・ジョン手術を受け、育成契約を結び直してリハビリに努めてきた。昨年7月、支配下に再昇格を果たし、1軍での登板は、リリーフで8試合。ファームでは40試合に登板し、4勝0敗14セーブ、防御率1.29という好成績を残した。
「昨年の秋季キャンプで、阿部慎之助監督(45)から『先発をやってみるとか』と声をかけられ、本人も『調整します』と、先発への意欲を見せていました。ソフトバンクで先発は、モイネロ(29)、スチュワートJr(25)、有原航平(32)は当確。その次に上茶谷、上沢、そして浜口辺りを競わせ、あの後を東浜巨(34)、大関友久(27)、大津亮介(26 )あたりが追いかけることになるでしょうから、伊藤に求められるのはリリーフではないでしょうか」(スポーツ紙記者)
実は甲斐の人的補償の裏側で、別の補強策も動いているという。あのトレバー・バウアー(33)が、日本球界に復帰する可能性が高まってきたのである。
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