イチロー氏が日米ダブル「野球殿堂入り」も…米では「満場一致」予想なのに、なぜ日本の得票率は「92.6%」に留まったのか

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2年連続1票足りず

 日本では殿堂入りだけでなく、プロ野球のMVPや新人王、ベストナインも記者投票によって選考されており、報道陣との関係が投票結果に影響しているのではないかと思えるケースは実はこれまでも散見された。殿堂入りの投票では、三冠王3度の落合博満氏が2009年から2年続けて1票足りずに選出を逃し、2011年にようやく殿堂入りを果たしたという例も過去にはある。

「落合さんもメディアにとっては取材しにくい存在でした。中日監督時代もチームのスポークスマンとしての役割を果たそうという意識は希薄だったので、苦労した担当記者は多い。そのような背景があって票が伸びなかったというのは否めないと思います。ただ、好き嫌いと評価は別物であるべきです。ずば抜けた実績を考えれば、落合さんやイチローさんに投票しないという選択はあり得ない。米国では自身の投票内容をSNSで公表する記者が多く、それはなぜそのメンバーを選んだかという理由をきちんと説明できるという自負の表れと言えます。日本ではあまりそのような風習はなく、“感情”に流された投票もできてしまう。マスコミがしっかり根拠を説明できる人選をするというのは投票者に求められるモラルだと言えるでしょう」

 日本の野球殿堂博物館は公式サイトで、投票者の氏名だけを公開している。日米でイチロー氏の得票率に大きな落差が出てくる事態になれば、今後、投票内容の公開を求める声が上がってもおかしくないのだ。

デイリー新潮編集部

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